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横田英史の読書コーナー

幸福の方程式~新しい消費のカタチを探る~

山田昌弘、ディスカヴァー・トゥエンティワン

2013.1.29  12:00 am

 パラサイト・シングルや格差社会を提唱した社会学者と電通のチームハピネスが見出した「成熟社会における幸福の条件」。高度成長期からバブル期までは、幸福というものが、物質的豊かさを求める消費活動と結びついてきた。モノを買うことに幸せを見出してきたのだ。しかし成熟時代に至り、日本は消費不況の時代を迎えた。今の時代に消費と幸福の関係はどうなっていくのか。物質的な豊かさを超えた幸福の形があり得るのか。あり得るとしたら、それはどのようなものなのか。本書はこうした問題意識のもと、新たな幸福の物語を説いた示唆に富んだ書である。コンパクトにまとまっており、多くの方にお薦めしたい。

書籍情報

幸福の方程式~新しい消費のカタチを探る~
山田昌弘、ディスカヴァー・トゥエンティワン、p.238、¥1,050

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。