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横田英史の読書コーナー

ロスト・インタビュー~スティーブ・ジョブズ 1995~

「スティーブ・ジョブズ 1995」MOVIE PROJECT、講談社

2013.9.25  12:00 am

 米Appleを追われ、米NeXTを設立した当時のSteve Jobsへのインタビューを単行本化したもの。1995年にTV局が行った69分のインタビューだったが、オンエアで使われたのはわずか数分。録画したテープは英国から米国に送られる途中で行方不明になり「ロスト・インタビュー」と呼ばれるようになった。ところがJobsの死後、2011年に担当者のガレージで発見される。本書は、Appleへの復帰の2年前にJobsが何を考えていたかを知ることができる貴重なインタビューのテープ起こしである。Jobs好きだけではなく、多くの方にお薦めの1冊だ。
 本書でJobsは、コンピュータと出会った12歳の夏休みに始まり、Appleの創設時の思い出、Mac誕生秘話、Appleを離れた理由、Microsoftへの批判、10年後のコンピュータ像のほか、ベンチャー観、マネジメント論、人材論、人生論を展開する。Appleに戻ってiMacやiPod、iPhoneを生み出す原点となる考え方を披露する下りもあり興味深い。ちなみに242ページの単行本だが、実は読むべきは100ページに満たない。残りの半分以上はJobsのインタビューを英文で起こしたものとその対訳である。

書籍情報

ロスト・インタビュー~スティーブ・ジョブズ 1995~
「スティーブ・ジョブズ 1995」MOVIE PROJECT、講談社、p.242、¥1,050

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。