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横田英史の読書コーナー

関わりあう職場のマネジメント

鈴木竜太、有斐閣

2013.12.19  12:00 am

 社員同士が関わりあいながら仕事を進めることが多い職場は、お互いに助け合い、勤勉で組織のルールややるべきことをきっちりこなし、自律的な創意工夫を促す。職場の強化によってこそ組織が強くなる。これが本書の趣旨だ。この仮説を証明するために、企業へのヒアリングや調査を駆使する。経営層や部課長クラスのマネジャーの方にとって、一読に値する書である。今年の日経・経済図書文化賞を受賞したのも納得できる。
 本書で出色なのはタマノイ酢のケーススタディである。300人規模の企業だが、その組織が実にユニークである。筆者は1章を割いてタマノイ酢における「関わりあう職場」を紹介する。本書の中盤に経営学での位置づけを行っている。この部分はアカデミックで少々読みづらいが、飛ばしてしまっても本書の価値に影響を及ぼさない。

書籍情報

関わりあう職場のマネジメント
鈴木竜太、有斐閣、p.260、¥2,625

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。