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横田英史の読書コーナー

血族の王~松下幸之助とナショナルの世紀~

岩瀬達哉、新潮文庫

2014.3.4  12:00 am

 松下幸之助と本田宗一郎----多くの日本人が好む最強の二人である。最近では稲盛和夫を加えた三人衆かもしれない。本書は、日本人が愛する松下幸之助の足跡をたどる評伝である。筆者はパナソニックの協力をあえて断り、自らの足で稼いだ取材と新たな資料をもとに松下幸之助の実像を描き出す。感情移入が激しい佐野眞一の評伝を読み慣れていると、気負いが感じられな筆者の書き口に物足りなさを感じるかもしれない。しかし、事実に物語らさせている本書の読後感は決して悪くない。

書籍情報

血族の王~松下幸之助とナショナルの世紀~
岩瀬達哉、新潮文庫、p.394、¥662

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。