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横田英史の読書コーナー

電子情報通信と産業(電子情報通信レクチャーシリーズ)

西村吉雄、コロナ社

2014.8.19  4:41 pm

 先日紹介した「電子立国は、なぜ凋落したか」の基になった書で、電子情報通信学会は出版する教科書シリーズのなかの1冊。このシリーズは高専、大学学部、大学院の学生向けとあって、電子産業だけではなく、コンピュータ産業、通信産業、インターネット産業の歩みについて懇切丁寧に説明している。知っていることも少なくないが、体系だっており頭の整理に役立つ。「電子立国は、なぜ凋落したか」のストーリー展開が先を急いだ感があるのに比べ、本書のテンポはあくまでもユックリである。これはこれで悪くない。ただし本書は大判はうえに、分厚い良質な紙を使っており重い。通勤電車で読むのは辛いかもしれない。

書籍情報

電子情報通信と産業(電子情報通信レクチャーシリーズ)

西村吉雄、コロナ社、p.254、¥5076

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。