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横田英史の読書コーナー

ものの言い方西東

小林隆、澤村美幸、岩波新書

2015.5.11  9:17 pm

 言葉の地域性を、具体的な調査データをもとに論じた書。大阪で生まれ石川県金沢で育った評者にとって、得心のいく話が多い。おしゃべりや無口には明確な地域差があることを、そうなった背景に触れながら論じる。「おはよう」の挨拶の有無、「ありがとう」といった礼を言うか言わないか、値切るか値切らないか、喧嘩の時の常套句といった側面で地域性をあぶりだしている。祖父江孝男の名著「県民性」に匹敵する面白さである。

書籍情報

ものの言い方西東

小林隆、澤村美幸、岩波新書、p.240、¥842

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。