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横田英史の読書コーナー

「平穏死」のすすめ~口から食べられなくなったらどうしますか~

石飛幸三、講談社文庫

2015.9.15  10:15 am

 最近、NHKでも取り上げられた特別養護老人ホーム・芦花ホームの常勤配置医が、看護を実践するから「人はどのように死を迎えるべきか」を提言した書。病院、介護施設(老人ホーム)、介護職員、家族、死に場所、胃ろうなどの問題を多角的に扱っており、役立ち感がある。評者の環境に通じるところもあり共感できるところも多い。家族に高齢者を抱える方はもちろん、それ以外の方も一読して損はない書である。
 本書は6章から成る。ホームで起きていたこと、高齢者に何が起きているのか、なぜホームで死ねないのか、私たちがしたこと、ホームの変化、どう生きるかについて紹介する。介護現場の今を知るうえで貴重な情報が詰まっている。

書籍情報

「平穏死」のすすめ~口から食べられなくなったらどうしますか~

石飛幸三、講談社文庫、p.224、¥484

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。