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横田英史の読書コーナー

電通マン36人に教わった36通りの「鬼」気くばり

ホイチョイ・プロダクションズ、講談社+α文庫

2016.4.24  5:46 pm

 電通の「鬼」営業マン36人に取材し、36件の気配りポイントを抽出した書。「安物の同じボールペンを必ず2本持ち歩く」「名刺は1ミクロンでもいいから、相手より下から出す」「見送りのタクシーが角を曲がるまでおじぎをつづける」などの気配りポイントについて、それぞれ数分で読める短い文章とイラストを使って説明を加える。ちょっと時間ができたときに、面白おかしく読み通せる。

 電通の伝説の営業マンの逸話はけっこう笑える。紙版と電子版の価格が同じなのは納得できないが、電子版をスマホやタブレットに入れておけば、読む本がなくなったときを急場をしのげるのでお薦めだ。ちなみに筆者は中坊公平の「人を動かすのは、正面の理、側面の情、背面の恐怖」という言葉をあとがきで引いている。なかなか説得力がある。

書籍情報

電通マン36人に教わった36通りの「鬼」気くばり

ホイチョイ・プロダクションズ、講談社+α文庫、p.144、¥497

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。