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横田英史の読書コーナー

言ってはいけない~残酷すぎる真実

橘 玲 、新潮新書

2016.7.20  8:20 pm

 建前ではなく、本音でずばり勝負した書。ワイドショウ的な感があり、一時期だがベストセラーになっていたのも納得できる内容である。例えば人間は平等で、努力すれば必ず報われ、〝見た目″はそれほど大した問題ではないというのが大嘘であることを明らかにする。例えば、努力は遺伝に勝てないし、犯罪における遺伝的影響は統計的に隠しようがない、一般知能の80%、論理的推論能力の70%が遺伝で説明できる、美人とブスの「美貌格差」は生涯で約3600万円もある、米国のアファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)が黒人全体の知能を向上させることに全く役立っていないなど、不都合な真実を次々に明らかにする。暇つぶしには格好の書なので、夏休みにお薦めの1冊である。

書籍情報

言ってはいけない~残酷すぎる真実

橘 玲 、新潮新書、p.256、¥842

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。