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横田英史の読書コーナー

「全世界史」講義 Ⅱ～近世・近現代編：教養に効く!　人類5000年史～

出口治明、新潮社

2016.8.23 4:31 pm

　ライフネット生命保険代表取締役会長兼CEO 出口治明が、世界史を横串を刺しながらテンポよく解説した歴史書の第2巻。同じ時期に欧州、中国、イスラム圏、新大陸で何が起こっていたかをコンパクトにまとめている。類書に比べるとイスラム圏についての記述が多い印象だが、これも時代なのだろう。深掘りされている訳ではないので物足りなさが残るが、別の歴史書で学べばいいということなのだろう。ビジネスマンが大雑把な教養を身につけることができるのは間違いない。

　下巻は、まずイングランドのバラ戦争、ローマ帝国の滅亡にはじまり、現代へと続く世界史を概観する。個人的には独立戦争とフランス革命の類似性の考察は興味深い。いずれも理性を重視して、人間が頭で考えた制度を実現させた、人類史上初めての出来事と位置づけている。

書籍情報

「全世界史」講義 II～近世・近現代編：教養に効く!　人類5000年史～

出口治明、新潮社、p.416、￥1512

横田英史（yokota@et-lab.biz）

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル（現日経BP社）に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT（現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、日経BP総合研究所グリーンテックラボ主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会（JASA）理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

＊本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。