Electronics Information Service

組込みシステム技術者向け
オンライン・マガジン

MENU

横田英史の読書コーナー

堤清二 罪と業~最後の「告白」~

児玉博、文藝春秋

2016.9.5  11:29 am

 作家(ペンネームは辻井喬)と経営者の2足のわらじを履いた堤清二への10時間におよぶ長時間インタビューを軸に、父・堤康次郎、異母弟・堤義明、母親、妹との関係、西武グループやセゾングループの歴史をたどった書。よくぞここまで正直に喋ったものだというのが正直な感想である。本書では堤清二から見た康次郎や義明が語られているが、巷間伝えられる話とは違っている部分があり興味深い。

 プリンスホテル、パルコ、西武鉄道、豊島園など一世を風靡した西武グループに興味のある方にはお薦めの1冊である。ちなみに本書は文藝春秋の連載を単行本化したもので、第47回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞している。

書籍情報

堤清二 罪と業~最後の「告白」~

児玉博、文藝春秋、p.190、¥1512

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。