横田英史の読書コーナー
情報参謀
小口日出彦、講談社現代新書
2016.11.2 2:26 pm
2009年夏に下野した自民党が、4年で政権を奪還する要因の一つとなった、インターネットとテレビをフルに活用にした情報分析戦略を解説した書。インターネットの駆使は、大統領選におけるトランプ勝利に通じるところもあり興味深い。インターネット時代、SNS時代の政治の在り方に興味を持つ方にお薦めの1冊である。
筆者は、メディア利活用で自民党のアドバイザを務めた人物。仕掛け人が語る情報戦略の裏側には説得力がある。ちなみに著者は評者と同じ職場で新規媒体の創刊に携わったこともある元同僚。したがって、この書評にバイアスがかかっている可能性もあるのでご了承願いたい。
筆者が自民党の情報分析会議に出席するようになったのは、メディアから得たデータだけで総選挙の結果を80%超的中させたことがキッカケ。まずは2010年7月の参議院選挙に向けて情報分析会議を毎日開催し、ネットCMなどを展開し政権奪取への橋頭堡を築く。その後2010年秋~2011年夏には、小沢一郎のニコニコ動画での会見や尖閣列島における中国漁船の衝突ビデオのYouTubeへの流失などで、ネットが政治の世界に大きな影響を与えることが明らかになった。総仕上げは、候補者全員にタブレット端末を配布し選挙戦の情報分析を共有するとともに、スマホのゲームアプリを入り口に有権者を政策サイトに誘導した2013年7月の参議院選挙である。
書籍情報
情報参謀
小口日出彦、講談社現代新書、p.224、¥821

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)
1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。
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