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横田英史の読書コーナー

The Customer Journey~「選ばれるブランド」になる マーケティングの新技法を大解説~

加藤希尊、宣伝会議

2016.11.7  2:28 pm

 ブランドが提供する接点で、顧客がブランドや商品に対して行う認知や購買、再購入の行動パターン「カスタマージャーニー(The Customer Journey)」を分析する手法を解説した書。本書は、日本のマーケッターが集う「JAPAN CMO CLUB」の活動をもとに、ANAやキリン、ローソン、ネスレ、レクサス、KDDIなど30件のカスタマージャーニーの実践例を紹介する。事例が豊富なのは悪くないが、見開き2ページでは説明が簡潔すぎる。興味深いテーマだけに、物足りなさ感がどうしても残る。

 顧客の意思決定の多様化によって、「お客さまが理解できない」という悩みを抱える企業が増えている。また商品のコモディティ化が進み、商品価値は発売した途端に急速に失われる。こうしたなかで注目されているのが、カスタマージャーニーという考え方だ。カスタマージャーニーを分析し、接点に応じた体験や、顧客一人ひとりに合わせたサービスを提供し、「価値ある体験」につなげることが大きなビジネスチャンスになるという。

書籍情報

The Customer Journey~「選ばれるブランド」になる マーケティングの新技法を大解説~

加藤希尊、宣伝会議、p.261、¥1728

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。