Electronics Information Service

組込みシステム技術者向け
オンライン・マガジン

MENU

横田英史の読書コーナー

グーグルに学ぶディープラーニング

日経ビッグデータ、日経BP社

2017.2.10  9:59 am

 いま流行のディープラーニングを理解するうえで役立つ啓蒙書。「AIファースト」を掲げるグーグルの日米AI担当者への取材をもとに、ディープラーニングの仕組みと応用分野を手際よく紹介する。図の出来がよいので理解が進むのも特徴の一つである。一般紙や一般誌でディープラーニング、人工知能、機械学習などの言葉が飛び交っているが、基本的なことを一通り知りたい方に向く。

 まず超入門と題し、「人工知能と機械学習とディープラーニングの違い」を解説する。その後、ディープラーニングの仕組み、グーグルにおけるディープラーニング活用事例、国内企業での導入事例の紹介へと進む。初学者にとって過不足の内容だろう。グーグルをはじめ事例が新しいのもいい。例えばグーグルはデータセンターの省電力化にディープラーニングを適用し、サーバーなどの冷却設備の消費電力を40%削減したという。

書籍情報

グーグルに学ぶディープラーニング

日経ビッグデータ、日経BP社、p.184、¥1944

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。