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横田英史の読書コーナー

バグは本当に虫だった~なぜか勇気が湧いてくるパソコン・ネット「100年の夢」ヒストリー91話~

水谷哲也、ペンコム

2017.4.6  9:44 am

 元 SE で現在は ITコンサルタントの筆者が綴るパソコンやインターネットに関するウンチク本。1837年の「世界最初のプログラマは女性だった」から始まり、2016年の「バグ退散に効果がある寺社はどこ」まで、91件の話題を取り上げる。ちなみに世界最初のプログラマは女性はオーギュスタ・エイダ・キング。詩人バイロンの娘でプログラミング言語 Ada の由来になっている。91話の中には、よく知られた話もあるが、へ~っと思わせるエピソードも多い。面白楽しく読み通せる。

 例えば第1章は、チューリングや座席予約システム「マルス」などコンピュータ黎明期からメインフレームの時代を扱う。第2章がカバーするのはインターネットとパソコンの黎明期。世界初のマイクロプロセッサ4004、マイクロソフトやアップルの創業、日本語ワープロなどが続々登場する。第3章は、PC-9801や一太郎、 Lotus1-2-3、Macintosh、JUNET、INS ネット64、TK-80、マイコン雑誌「I/O」「アスキー」 など、評者の世代から見るぐっと身近なエピソードになる。第3章以降も懐かしい話が満載だ。組み込み業界や IT 業界の方々にお薦めの1冊である。

書籍情報

バグは本当に虫だった~なぜか勇気が湧いてくるパソコン・ネット「100年の夢」ヒストリー91話~

水谷哲也、ペンコム、p.376、¥1944

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。