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横田英史の読書コーナー

欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」~科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防~

奥田昌子、ブルーバックス

2017.8.16  12:19 pm

 予防医療に携わる内科医が、日本人には日本人に適した健康法があると指摘し、正しいガン・生活習慣病予防法を伝授した新書。具体的には糖尿病、高血圧、脂質異常と動脈硬化、がん(胃がん、大腸がん、乳がん)にならないための方法を詳説する。欧米人と同じ健康法を取り入れても意味がなく、むしろ逆効果だと断じる。科学的データに基づいた最新の知見を使って論じており説得力に富む。健康を気にしている EIS 読者の方々にお薦めの1冊である。

 筆者は「ヨーグルトで腸をきれいに」「牛乳でカルシウムをしっかり補給」「心臓病予防に赤ワイン」といった健康法を都市伝説とする(体質には個人差があるので有効なケースもありえる)。喫煙や飲酒、運動不足といったよく知られた生活習慣の問題のほか、日本人は「炭水化物を控えてはいけない」「オリーブオイルを摂りすぎると生活習慣病に」「筋トレをしても、やせ体質になれない」などといった、健康にまつわる勘違いの数々を紹介する。

書籍情報

欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」~科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防~

奥田昌子、ブルーバックス、p.240、¥972

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。