Electronics Information Service

組込みシステム技術者向け
オンライン・マガジン

MENU

横田英史の読書コーナー

カルピスをつくった男 三島海雲

山川徹、小学館

2018.7.12  10:03 am

 モンゴルの遊牧民族の飲み物からヒントを得て乳酸菌飲料カルピスを生み出した三島海雲の評伝。寡聞にして知らなかった経営者・三島海雲の経営哲学はユニークだし、カルピスという会社も興味深い。けっこうドラマチックな内容だが、筆者は淡々とした筆致で三島の人生を追っている。

 カルピスが発売されたのは1919年で、来年は100周年に当たる。筆者はモンゴルへの取材、遺族のインタビュー、カルピスOBなどの関係者を訪ね、三島の足跡を丹念に追っている。カルピス誕生のドラマも興味深いが、理想主義者といえる三島海雲という人間も実に魅力的である。

書籍情報

カルピスをつくった男 三島海雲

山川徹、小学館、p.351、¥1728

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。