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横田英史の読書コーナー

ドキュメント がん治療選択〜崖っぷちから自分に合う医療を探し当てたジャーナリストの闘病記〜

金田信一郎、ダイヤモンド社

2021.8.10  6:42 pm

 日経ビジネスや日本経済新聞の記者だった筆者による「がん闘病記」。医者や看護師、病院との付き合い方、セカンドオピニオンの切り出し方、病室での生活、家族との距離感などに対して、どのように対処していったのかを明晰な文章で綴る。誰しもがかかる可能性のある「がん」。そのときにどう行動するかを考える上で、参考になる良書である。
    
 筆者は日経BPを退職し、フリーになってまもなく進行性の食道がんが発覚。見つかった3つのがんのステージは2(5年生存率 50.3%)〜3(同 25.3%)とかなり重篤。ここから筆者は、記者らしい取材力と調査力を発揮して、納得できる治療法と病院(主治医)を探し当てる。
    
 その結果、病院は東大病院から国立がんセンター東病院へ、手術は外科手術から放射線治療へと変わる。2020年3月のがん発覚からの7カ月を日記形式で綴った400ページを超える書だが、闘病を自分ごとと感じるせいか、どんどん読み進むことができる。

書籍情報

ドキュメント がん治療選択〜崖っぷちから自分に合う医療を探し当てたジャーナリストの闘病記〜

金田信一郎、ダイヤモンド社、p.432、¥1650

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。