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横田英史の読書コーナー

「脳のクセ」に気づけば、見かたが変わる認知バイアス大全

川合伸幸監修、ナツメ社

2022.7.16 1:16 pm

　90種類の認知バイアスについて、それぞれ見開き2ページを割いて簡潔に解説した書。他人との関係や職場などで気をつけるべき認知バイアスとその対処法を紹介する。事例は具体的で理解が進む。もっとも90種類もあるので、さすがに最後の方は飽きてしまう。集中して通読するのは辛いかもしれない。ちょっとした空き時間を利用して断続的に読むのに向く。目次が優れているので辞書的に使うのも良いだろう。
　　　　　
　本書は認知バイアスを５つに分類する。人間関係のバイアス、組織停滞のバイアス、消費者と市場のバイアス、偏見と差別のバイアス、思想と誠司のバイアスである。それぞれ15〜20種類の認知バイアスを紹介する。最後の章では認知バイアスの対処法について論じる。
　　　　　　
　バイアスごとに著者を割り振ったようで、文章と図の出来に少しムラがある。説明が足りず分かりづらい図が散見されるのは残念である。ちなみに評者が書籍選びの参考にしている東大生協の売上ランキング（駒場キャンパス）で、6月にベストセラー入りしている。

書籍情報

「脳のクセ」に気づけば、見かたが変わる認知バイアス大全

川合伸幸監修、ナツメ社、p.256、¥1650

横田英史（yokota@et-lab.biz）

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル（現日経BP社）に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT（現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、日経BP総合研究所グリーンテックラボ主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会（JASA）理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

＊本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。