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横田英史の読書コーナー

EV〜日本自動車産業の凋落〜

高嶋哲夫、ハルキ文庫

2022.10.14  9:09 am

 電気自動車EV(本書ではイブと呼ぶ)とハイブリッド車を巡る日本、米国、中国のせめぎあいを扱ったフィクション。フィクションには違いないが、ハイブリッドへのこだわりからEV移行で世界から後れを取る状況など、いかにもありそうである。
      
 主人公は経済産業省の若手官僚。日本の産業構造が自動車一本足の状況にあるなか、ハイブリッドにこだわる国内産業に危機感を募らせる。日本からは、自動車メーカーの経営者、クルマの部品製造を手がける中小企業やベンチャー企業の経営者、新聞記者などが登場する。米国はイーロン・マスクと思しきEVメーカー(ステラ)の経営者がキーマンとして花を添える。

書籍情報

EV〜日本自動車産業の凋落〜

高嶋哲夫、ハルキ文庫、p.480、¥990

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。