SOLUTION
ケイデンス、ハイブリッドクラウド環境に向けた新しいCloudBurstプラットフォームによりクラウドベース製品におけるリーダーシップを拡大
2019.4.2 1:52 pm
Cadence Cloudポートフォリオに追加された最新ソリューションであるCloudBurstプラットフォームにより、Amazon Web ServicesまたはMicrosoft Azure上に構築されたクラウド環境にあらかじめインストールされたケイデンスのデザインツールに迅速かつ容易にアクセス可能
ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下、ケイデンス)は、4月1日(米国現地時間)、Amazon Web Services (AWS) またはMicrosoft Azure上に構築されたクラウド環境にあらかじめインストールされたケイデンスのデザインツールへの迅速かつ容易なアクセスを提供する、ハイブリッドクラウド環境向けの新しいソリューションCadence® CloudBurst™ Platformの提供開始を発表しました。
この新しいプラットフォームはCadence Cloudポートフォリオに追加された最新ソリューションであり、この継続的な革新により、半導体および電子システムデザイン向けクラウドベース製品におけるケイデンスのリーダとしての地位をさらに進展させます。新製品Cadence CloudBurstプラットフォームの詳細については、www.cadence.com/go/cloudburstをご参照ください。
Cadence CloudBurstプラットフォームは、幅広いお客様が、生産性、スケーラビリティ、セキュリティ、柔軟性の向上などCadence Cloudポートフォリオのメリットを利用したハイブリッドクラウド環境構築を可能にします。様々な実製品への適用実績を持ち、計算集約型のEDAワークロードに対応するケイデンス管理のクラウド環境をお客様に提供します。従来のクラウドソリューションは導入に数週間かかることがあるのに対し、Cadence CloudBurstプラットフォームは購入後わずか1日か2日でハイブリッドクラウド環境を実現することを可能にする導入オプションです。お客様はツールのインストールやクラウド設定の必要がないので、エンジニアは重要な設計プロジェクトを完了することに集中できます。
Cadence CloudBurstプラットフォームがシステム企業および半導体企業に対して提供する主なメリットは以下の通りです。
・現在の設計課題に対応する機能: 従来のクラウドコンピューティングソリューションへの便利で安全性の高いWebブラウザーベースのアクセスを提供するとともに、現在の複雑なシステムオンチップ(SoC)デザインにおいて扱われる巨大なサイズのファイルの転送速度を大幅に加速する、独自のファイル転送テクノロジーをサポート
・容易な導入: 既存のオンプレミスデータセンター資産を補完し、クラウドに関する専門知識を必要としないハイブリッド環境を提供することにより、CADおよびITチームが設計ピークに対するニーズに即座に対応することが可能
・幅広いケイデンスツールへのアクセス: クラウド上でスケーラブルなCPUリソースを活用することにより大幅に処理時間を短縮することが可能な、機能検証、回路シミュレーション、ライブラリーキャラクタライゼーション、サインオフ検証ツールなど様々なクラウド対応ツールをサポート
・簡素化された発注プロセス: 既存の発注システムおよびライセンスシステムを利用することが可能で、長期に渡ることがある法的および管理上の問題を回避し、設計プロジェクトにおいて迅速にクラウドの使用を開始することが可能
ケイデンス コメント
Anirudh Devgan (President):
「我々は、継続的にクラウドソリューションを進化させ、既存の計算機資産やクラウド体験のレベルにかかわらず、クラウド適用における障壁を除去し、お客様のクラウドへの移行を成功に導いていきたい、というビジョンを持っています。Cadence CloudポートフォリオにCloudBurstプラットフォームを追加することにより、SoC開発においてクラウドを最大限に利用することを可能とする、これまでにないハイブリッドクラウド環境ソリューションをお客様に提供していきます。」
幅広いCadence Cloudポートフォリオは、新しいソリューションであるCloudBurstプラットフォーム、およびユーザが管理するCloud Passportモデルおよびケイデンスが管理するCloud-Hosted Design Solutionそしてハードウェア検証環境を提供するPalladium® Cloudソリューションで構成されます。ケイデンス管理の製品においては、お客様に対してTSMCのOpen Innovation Platform Virtual Design Environment(OIP VDE)に完全に対応するソリューションを提供します。これらのクラウド関連ソリューションはケイデンスのSystem Design Enablement戦略に対応しており、システム企業および半導体企業は、他社を差別化できる完成度の高い最終製品をさらに効率よく作成することが可能になります。
Barefoot Networks社コメント
Dan Lenoski氏(Chief development officer and co-founder):
「我々は5億インスタンスを超えるフラットなデザインに対して、AWSを介したCloudBurstプラットフォーム上でCadence Tempus Timing Signoff Solutionの分散処理を実行し、最新のTSMC 7nmネットワーク向けチップのテープアウトを完了することに成功しました。これは、最終サインオフに向けたスタティックタイミング解析の実行に必要とされる大規模な演算性能への迅速かつ容易なアクセスにより、オンプレミス環境と比較して生産性が10倍向上したことにより可能となりました。もしケイデンスのハイブリッドクラウドソリューションを導入していなければ、要求された時間内での実現は不可能でした。」
TSMC社コメント
Suk Lee 氏(Senior director of Design Infrastructure Management Division):
「大規模なEDAワークロードをサポートするためにクラウドアーキテクチャを最適化することは、クラウドアライアンスパートナーと共同でクラウド対応設計ソリューションをお客様に提供するためのTSMCの重点事項でした。お客様はケイデンスの新しいクラウド向けソリューションにより、ハイブリッドクラウド導入に関連する典型的な課題を解消することで、設計ピークに対応し、シミュレーション、サインオフ、ライブラリーキャラクタライゼーションなど特定ツールの完遂を加速することができるクラウドベース環境への安全性の高いアクセスが可能になり、OIP VDEのクラウドの導入を簡素化することや革新的なサービスを提供する能力を実証し、TSMCの目標を達成しました。我々は、すでに生産性の向上を達成したお客様を目の当たりにしており、さらなる成功事例を楽しみにしています。」
Microsoft Azure社コメント
Rani Borkar氏(Corporate vice president):
「多くのIC設計企業が、EDA全体のワークロードをクラウドへ移行している中で、計算機インフラの中核として大規模なデータセンターを持つIC設計企業にとっては、ハイブリッドクラウド環境が必然的な出発点になるでしょう。ケイデンスのCloudBurstプラットフォームを利用することで、お客様はピークキャパシティー要件を満たせるMicrosoft Azureの規模を容易に活用でき、その結果として複雑なデザインを迅速に市場に投入することが可能になります。」
■日本ケイデンス・デザイン・システムズ社
http://www.cadence.co.jp