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NXPとMomenta、車載グレードのドライバー・モニタリング・システムで提携

2019.6.11  3:31 pm

次世代の自動車アセスメント・プログラム(NCAP)要件への対応と安全支援運転で重要な役割を果たすドライバー・モニタリング

世界最大の車載半導体サプライヤであるNXP Semiconductorsと自動運転向けソフトウェア・ソリューションのパイオニアであるMomentaは、車載グレードのドライバー・モニタリング・ソリューション(DMS)での提携を発表しました。このようなソリューションはドライバーの注意力を監視するシステムの基盤を形成するとともに、運転の安全性向上と自動車メーカーによる近い将来のNCAP要件への対応の実現で重要な役割を果たします。NXPとMomentaの協業のねらいは、自動車メーカーによる量産車へのDMSアプリケーションの展開を可能にすることです。

ドライバー・モニタリング・システムは先進運転支援システム(ADAS)を構成する要素の一つであり、レベル3以上の自動運転システムに不可欠です。このシステムはディープ・ラーニング(深層学習)アルゴリズムを使用して路上に対するドライバーの注意の欠如を視覚的に監視、検知すると同時に、衝突前の警告を促すことが可能です。ユーロNCAPはDMSを、2020年までにNCAPへの導入が予定されている最も重要な安全機能としており、市場規模は2026年までに10億米ドルを超えるとの予測もあります(注1)。

NXPとMomentaの協業による初のソリューションは、NXPのオープン・ビジョン・プラットフォーム(S32V2)の高性能、高電力効率アーキテクチャとMomentaのディープ・ラーニング・ソフトウェアや専門知識を組み合わせて実現されます。このソリューションの目的は、ディープ・ニューラル・ネットワークの最適化、圧縮、高速化により、車載グレードのDMS組み込みプラットフォーム上にて高効率動作を可能にすることです。

NXPの副社長兼ADAS担当ゼネラル・マネージャーのKamal Khouriは、次のようにコメントしています。「NXPのS32V2に搭載された車載グレード・ハードウェア・アクセラレータはディープ・ニューラル・ネットワーク・プロセッシングに適しており、そのためにCPUコアの処理負担軽減と必要なコンピューティング・リソースの節減が可能です。これにより、他のビジョン・プロセッシング・タスクへより多くのパフォーマンスの割り当ても可能になり、結果コスト低減も可能になります。Momentaのディープ・ラーニング・ソフトウェアとNXPのS32V2プラットフォームの組み合わせは、道路交通安全性向上のためのDMSアプリケーション向けに魅力的なソリューションを提供します」。

MomentaのXudong Cao CEOは、次のようにコメントしています。「DMSは自動運転システムに不可欠です。NXPは自動運転への取り組みに必要な機能安全システムの分野で数十年にわたり蓄積した専門知識を持っています。NXPのS32V2プラットフォームのハードウェア・アーキテクチャとNXPのAIイネーブルメントを活用することにより、私たちのディープ・ラーニング・ソフトウェア・アルゴリズムは低消費電力な車載グレード・チップ上での迅速な展開と高効率駆動が可能になります。私たちはNXPと協力し、自動運転を可能にする次世代ソリューションを提供できることを楽しみにしています」。

・関連リンク
NXPのドライバー・モニタリング
NXPとMomentaのドライバー・モニタリング・システム紹介ビデオ
NXPのS32V234ビジョン・プロセッサ製品

出典
注1. Strategy Analytics 2019の予測に基づく

・NXP Semiconductors
 https://www.nxp.jp/