SOLUTION
CEVA、インターデジタル社傘下でインテリジェントセンサー技術事業を手がけるヒルクレスト・ラボを買収
2019.7.24 5:23 pm
ヒルクレスト買収で、1億セット以上の機器に採用実績のあるセンサー処理技術が加わり、CEVAのスマート・コネクテッド技術ポートフォリオが大きく拡充
2019年7月22日 米国カリフォルニア州マウンテンビュー、メリーランド州ロックビル―スマート・コネクテッド・デバイス向け信号処理プラットフォームおよび人工知能(AI)プロセッサの大手CEVA, Inc.[(NASDAQ:CEVA)以下CEVA]は、インターデジタル社傘下のヒルクレスト・ラボラトリーズ(以下ヒルクレスト・ラボ)の買収を発表しました。ヒルクレスト・ラボは、民生用・IoT機器向けセンサー処理のソフトウェアやコンポーネントの世界的なサプライヤーです。
現在、スマートフォンやノートPC、タブレット、ワイヤレスイヤホン、TV&リモートコントロール、AR&VRヘッドセット、ドローン、ロボットなど多彩な民生用・産業用機器を始め、MEMS方式の慣性・環境センサー採用機器は増加の一途をたどっています。ヒルクレスト・ラボは、15年以上前からセンサー処理分野で事業展開しており、現在までに同社技術を搭載した機器の出荷実績は1億セット以上に達し、複数センサーデータ融合の分野の主要イノベーターに位置付けられます。ここから生まれたアルゴリズムやソフトウェアは、慣性計測装置(IMU)などの各種センサーのほか、エンドユーザー製品に搭載され、自立型ロボットやドローンの高精度ナビゲーションなど、多彩な機器で状況認識や充実したユーザー体験を実現しています。
ヒルクレスト・ラボの定評ある画期的な「MotionEngine ™ 」ソフトウェアは、幅広い汎用センサーチップをサポートしており、OEM供給先各社や半導体メーカーにライセンス供給され、CEVA DSPを始め、Arm ® Cortex ® - Mシリーズ、同Aシリーズ、RISC-VコアなどのRISC CPUで同ソフトウェアが利用されています。MotionEngineソフトウェアは、カメラのコンピュータ・ビジョンやAI処理、マイクの音声処理など、CEVAのスマートセンシング技術を拡張・補完する関係にあります。このため、今後、CEVA DSPのライセンス供給先各社には、クラスやタイプを問わずあらゆるセンサーの処理に総合的に対応可能なベンダーとなるCEVAの強みを生かしていただけるようになります。さらに、ヒルクレスト・ラボのソフトウェア技術が加わることにより、CEVAからソフトウェアのライセンスを直接提供可能なOEM・ODM供給先が広がるため、膨大なIMUソフトウェアアプリケーションをこうしたお客様の汎用SoCに提供できるようになります。この場合、チップ単位ではなく機器単位の権利使用料が適用されます。
CEVAのCEO、ギデオン・ワーサイザーは、次のように述べています。
「このたびヒルクレスト・ラボがCEVAに合流することになり、心から歓迎したいと思います。ヒルクレスト・ラボのセンサー処理の卓越したノウハウ、画期的なセンサー融合技術、さらには膨大な出荷量という確かな実績は、スマートセンシング領域での当社の多角化戦略と見事に合致します。今回の買収では、OEM供給先からの権利使用料収入など、権利使用料に関してさまざまな成長ベクトルの可能性が生まれ、当社がAR・VR、さまざまなクラスのロボットといった有望分野でパイオニア的な地位を獲得します。通信、サウンド、ビジョン、AIの幅広い技術に、ヒルクレスト・ラボが加わったことで、当社は今後も引き続きデータドリブンの世界での技術ソリューションの限界を塗り替えていくことができます」
ヒルクレスト・ラボのチャド・ルシアン社長は次のように述べています。
「業界屈指の革新的で活力あふれる技術企業であるCEVAへの合流は、大変光栄であると同時に活性化の機会となりました。状況認識機能によるユーザー体験を向上させようと日常的に使用する機器へのセンサー採用が拡大している中、当社のセンサー処理技術やセンサー融合技術は、CEVAの既存のスマートセンシングプラットフォームを見事に補完します。新たな本拠地で、これからの課題や可能性に取り組めることを心待ちにしています」
今回の取引ならびに関連する財務情報の詳細については、2019年8月8日に予定されているCEVAの2019年第2四半期決算の電話会議で取り上げます。
ヒルクレスト・ラボのモーションセンシングソフトウェアの詳細については、 https://www.ceva-dsp.com/app/motion-sensing/ をご覧ください。
■日本シーバ株式会社
www.ceva-dsp.com