SOLUTION
テレダイン・レクロイ、車載イーサネットを実通信状態で信号品質評価デバッグができる車載イーサネット・デバッグ・ツールキットを発表
2019.8.9 1:17 pm
新開発ブレークアウト・テスト・フィクスチャにより上りと下りの信号を切り分け独立してオシロスコープで評価
テレダイン・ジャパン株式会社(代表取締役 原 直)は本日、車載イーサネットを実通信状態で信号品質の評価/デバッグが可能な車載イーサネット・デバッグ・ツールキット AUTO-ENET-TOOLKITを発表しました。AUTO-ENET-TOOLKITは、新たに開発したブレークアウト・テスト・フィクスチャ TF-AUTO-ENETを用いて上りと下りの信号を切り分け各々マスターからの信号スレーブからの信号を独立してオシロスコープで評価することで、実際の通信における問題を特定し、デバッグすることが可能になります。
開発の背景
近年、処理する情報量の増加から車載LANにイーサネットを応用する動きが進展しています。元々Broadcom社が100Base-Tをベースに開発したものを、Open Allianceにおいてオープン化されました。また、IEEEも新たな規格100Base-T1としても規定しています。現在はさらに高速の1Gbpsの1000Base-T1に移行しようとしています。こうしたネットワーク機器の検証としてコンプライアンス試験が有用であり、弊社もコンプライアンス・テスト・オプションQPHY-BroadR-ReachやQPHY-1000Base-T1を提供しています。しかしながら、コンプライアンス試験は基本的にDUT単独の性能評価試験であり、実通信環境において通信の不具合を評価/デバッグすることが出来ませんでした。コンプライアンス試験に合格した機器どうしを接続しても、長いケーブルを介すると通信エラーを起こすことがあり、実通信状態の信号評価の要望が市場で大きくなっていました。
ブレークアウト・テスト・フィクスチャ (TF-AUTO-ENET)
イーサネットは、双方向通信なので、単にラインをプロービングしてみても上りと下りの信号が混ざってしまい、信号品質の評価は困難でした。TF-AUTO-ENETは、内部に方向性結合器を機見込むことにより、実通信状態のマスターからの信号とスレーブからの信号を別々に取り出すことができるので、オシロスコープを用いて信号品質評価が可能になります。
デバッグ・ツールキット AUTO-ENET-TOOLKIT
AUTO-ENET-TOOLKITは、上記TF-AUTO-ENETを用いて分離したマスターまたはスレーブからの信号を個別に評価することができます。基本的には信号のEyeパターンを描いてその信号品質を評価しますが、12個のEyeパターン評価パラメータを用いて定量的な評価を行います。また、実際の通信においては、長いケーブルによる信号の減衰を補償するために受信機にはイコライザが組み込まれていますので、評価の際にはイコライザによる信号品質の補償も考慮しなければならないので、AUTO-ENET-TOOLKITにはフィード・フォアード・イコライザが組み込まれており、ユーザーが自由に設定することもできますが、自動的に最適化することもできます。また、TF-AUTO-ENETによる減衰も校正することができるので、高い信頼性で信号評価を行うことができます。
対応機種
WaveRunner 9000シリーズ、WavePro HDシリーズ、WaveMaster 8Ziシリーズ、LabMaster 10Ziシリーズ
オーダー・インフォメーション
AUTO-ENET-TOOLKIT(車載イーサネット・デバッグ・ツールキット) 35万円(税別)
TF-AUTO-ENET(車載イーサネット・ブレークアウト・テスト・フィクスチャ) 59万円(税別)
・テレダイン・ジャパン株式会社
https://teledynelecroy.com/japan/