SOLUTION
COVID-19が半導体ファブ装置への投資増を牽引、SEMI World Fab Forecastレポートで明らかに
2020.9.10 12:33 pm
SEMIは9月8日(米国時間)、最新のWorld Fab Forecastレポートにおいて、通信、ITインフラから、PC、ゲーム、ヘルスケアまでのあらゆる電子機器の原動力となる半導体の需要がパンデミックにより急増し、半導体前工程ファブ装置への世界全体の投資額を2020年に8%、2021年に13%上昇させることを明らかにしました。データセンターやサーバーストレージ向けの半導体需要増加、並びに米中貿易の緊張の高まりに対する安全在庫の確保も、今年の成長に寄与しています。
ファブ装置全体に対する旺盛な投資トレンドは、2019年の投資額9%減少からの回復となるもので、2020年は激しい上昇と下降の年となり、第1四半期と第3四半期は投資が減少し、第2四半期と第4四半期は上昇することが、実績と予測から示されています。
半導体分野別では、メモリーの投資増加率が最も大きくなると予測され、2020年は37億ドル増し、前年比16%増の264億ドルとなるでしょう。2021年はさらに18%増加し312億ドルに達する見込みです。3D NANDが39%と、今年最大の成長率を記録し、2021年は7%の緩やかな成長となるでしょう。DRAMの2020年の投資成長率は後半に減速して4%となりますが、来年は39%の急増が予測されます。
その他の半導体分野の装置投資額の予測は次の通りです:
・ファウンドリの2020年の装置投資額はメモリーに次ぐ規模となり、25億ドル増加し、前年比12%増の232億ドルとなるでしょう。2021年は2%の微増となり、235億ドルと予測されます。
・MPUの装置投資額は、2020年に12億ドル減少し18%減となり、2021年は9%増の60億ドルとなるでしょう。
・アナログの装置投資額は、2020年に48%の急成長を見せ、2021は6%増となるでしょう。この拡大は主にミクストシグナル/パワー半導体ファブの投資によるものです。
・イメージセンサーの装置投資額は、2020年は4%増の30億ドル、2021年は11%急増し、34億ドルとなることが予測されます。
SEMIのWorld Fab Forecastレポートは、1,300以上のファブ/ラインの、生産能力やテクノロジー、装置・建設投資を収録しています。このレポートには、研究開発から量産ファブを含め、また実現性の低いものも含め、2020年に着工する新規ファブ建設が21件示されています。この内、中国の新規ファブが9件と最も多く、これに台湾の5件、東南アジアと南北アメリカの2件ずつ、日本、韓国、欧州/中東の1件ずつが続きます。2021年に着工する新規ファブ建設は18件あり、10件が中国、4件が南北アメリカ、3件が台湾、1件が欧州/中東となります。