SOLUTION
Evonetixとアナログ・デバイセズが第3世代のDNA合成プラットフォームで提携
2020.9.30 1:59 pm
商用化と最初の製品の供給に向けて、EvonetixのデスクトップDNAライタの開発とスケールアップを迅速化
高速遺伝子合成用のデスクトップ・プラットフォームを開発しているEVONETIX LTDは、高性能アナログ技術で世界をリードするアナログ・デバイセズ社との提携を発表しました。この提携により、両社はEvonetix独自の微小電気機械システム(MEMS)ベース・シリコン・チップの進化と商用化に向けたスケールアップに取り組み、Evonetix初の製品となるDNAデスクトップ・ライタの開発をスピードアップします。
Evonetixの新しいシリコン・チップは、チップ表面の個別に制御される数千個の反応サイト(「ピクセル」)を使って高度な並列処理の手法でDNA合成を制御します。両社は2019年1月から共同作業を開始していますが、今回はアナログ・デバイセズの企業イノベーション・ラボであるAnalog GarageとEvonetixの共同作業を継続しながら提携をさらに広げて、MEMSプラットフォーム、制御エレクトロニクスを小型化するための特定用途向け集積回路(ASIC)、およびフロー・セルで構成される統合型ソリューションの共同開発に合意しました。
アナログ・デバイセズは、この技術の商用化に向けたスケールアップの支援と、デスクトップDNAライタ用デバイスの製造を担当します。
医薬品の創薬、産業バイオテクノロジー、特殊化学製品、再生可能エネルギー、農業、材料科学などの様々な分野で、高忠実度de novo DNAを大規模に作製する能力が不足しているため、合成生物学を利用する機会が制約されています。EvonetixのDNA合成技術は、プラグ・アンド・プレイ型の装置として研究機関に販売され、類を見ない精度、規模、速度でDNA合成を実行できます。この技術は合成生物学の利用を、これまでに無い規模で加速し、国際保健に大きな影響を与えるでしょう。
Evonetixの最高技術責任者であるMatthew Hayes博士は、次のように述べています。
「アナログ・デバイセズとの提携は、大規模かつ高精度なDNA合成を可能にする高度な並列処理機能を備えたデスクトップ・プラットフォームの開発という私たちの使命における大きな一歩です。Analog Garageの研究開発チームのサポートと専門知識は、複雑な制御用ASICを設計する際に非常に有益でした。今回は両社の提携をさらに広げて、プラットフォームの商用化に向けたスケールアップを実現していきます」
アナログ・デバイセズのデジタル・ヘルスケア担当上席副社長であるPat O’Dohertyは、次のように述べています。
「Evonetixは生物学を刷新していく先駆者として、これまでにない精度と規模で長鎖DNAを合成できる、従来とは根本的に異なる手法の開発に取り組んでいます。今回の提携により、アナログ・デバイセズは急速な成長を続ける合成生物学の市場へ参入する機会を得ます。提携の目的は、ゲノム・アセンブリの速度向上とコスト削減を実現し、この新たな手法を、手頃な価格の医薬品の生産と世界の様々な疾病の治療に役立てることです」
Evonetix社について
Evonetixは、高度な並列処理機能を持つデスクトップ・プラットフォームを使って、これまでにない精度と規模でDNAを合成するという、従来とは根本的に異なる遺伝子合成手法の開発によって生物学を刷新していく企業です。同社のプラットフォームにより、あらゆる研究者がDNA合成を利用できるようになり、DNAへのアクセス、作製、使用方法が一新されます。この新しい遺伝子合成のパラダイムは、合成生物学分野の市場規模の急速な成長に大きく貢献するでしょう。
Evonetix独自の手法は、物理学と生物学を統合したMEMSプロセスで製造されるシリコン・チップを利用して、チップ表面の個別に制御される数千個の反応サイト(「ピクセル」)を使って高度な並列処理の手法でDNAの合成を制御するものです。この手法はDNAの化学合成と酵素合成の両方に適合します。合成後のDNA鎖は、エラーの特定と除去のプロセスとを並行してチップ上で二本鎖DNAにアセンブルでき、従来の手法に比べて桁違いに高い精度が得られます。
EvonetixのDNAライタはデスクトップ装置としてあらゆる研究者が利用でき、スケーラブルで高精度なDNA合成により、これまでにない精度と規模での生体システムの工業生産を可能にします。これは第3世代のDNA合成です。
詳細 www.evonetix.com