SOLUTION
オン・セミコンダクターが産業用測距アプリケーションですぐに使用可能なデザインを提供する新「SiPM dToF LiDAR」プラットフォーム発表
2020.11.10 1:12 pm
オン・セミコンダクターのシリコンフォトマルチプライヤ(SiPM)センサの専門技術を用いたダイレクト ToF 方式 LiDARを紹介する新プラットフォーム
高効率エネルギーへのイノベーションを推進するオン・セミコンダクター(米国アリゾナ州フェニックス)は、同社のシリコンフォトマルチプライヤ技術によって可能になった、シングルポイントの新ダイレクト ToF(direct Time of Flight、dToF)方式LiDARソリューションを発表しました。
LiDAR (light detection and ranging)アプリケーションは、ミリメートル距離精度が必須であるロボットおよび産業用近接センシングを含む、全ての領域にわたり拡大しています。これは通常、近赤外(NIR)波長範囲の光パルスがオブジェクトとの間を移動するのに要する時間を測定する、dToFの手法に基づいています。
このアプリケーションの原理は単純ですが、例えば、高レベルの周囲の太陽光のような環境要因により困難な場合があります。範囲を正確に決定するには、レシーバができるだけ多くの信号をキャプチャする必要があります。従来のフォトダイオードは、反応時間と感度の面で問題があります。
オン・セミコンダクターが開発したシリコンフォトマルチプライヤ(SiPM)センサは、より速い応答時間と高い検知効率を提供することで、これらの欠点を克服します。このリファレンスプラットフォームは、オン・セミコンダクターの第2世代のSiPMセンサであるRB-Series シリーズ を使用しており、赤色光と近赤外線(NIR)の範囲で性能が向上しています。
オン・セミコンダクターが開発した新SiPM dToF LiDARプラットフォームは、低価格のシングルポイントLiDAR向けの完全なソリューションを提供します。機器メーカは、このプラットフォームを採用し量産に取り込むことで、産業用測距アプリケーションを創出できます。このプラットフォームには、NIRレーザーダイオード、SiPMセンサ、光学系、ならびに検出された信号を経過時間に変換し、経過時間を距離に変換するために必要なディジタル処理が含まれます。
オン・セミコンダクターは、お客様の市場投入時間を短縮するために、回路図、BOM、PCB設計ファイルなど、このリファレンスプラットフォームのすべての設計データを提供しています。PCベースのGUIも提供され、時間の経過に伴う測定値をグラフィカルに表示します。生成されるヒストグラムにより、距離検出、衝突検出、3Dマッピングなどのアプリケーションにおけるシステムの能力をさらに実証します。
オン・セミコンダクターでIoTビジネスの責任者を務めるWiren Pereraは、次のように述べています。
「dToF LiDARを使用した測距は、自律ナビゲーションからマッピング、監視にいたるまで、多くのアプリケーションに不可欠なニーズに対応しますが、このようなシステムをdToF LiDARに基づいて開発することは困難な場合があります。このプラットフォームは、この市場をリードするテクノロジの有効性を明確に示しています。実績のある設計が利用できることで、お客様ははるかに迅速にコンセプトを実証でき、製品を迅速に市場投入できます」
SiPM dToF LiDARプラットフォームは、10cmから23mの距離にあるオブジェクトを検出できます。同梱のGUIによる革新的なユーザ体験が提供されており、すぐに技術の評価を開始できます。このリファレンスデザインはFDAクラス1の認定を受けており、IEC/EN60825-1:2014および21CFR1040.10/1040.11レーザー安全規格に準拠しています。