SOLUTION
STマイクロエレクトロニクスが次世代IoT機器むけセンサ・ソリューション開発でQualcomm Technologies社と協力
2020.11.20 1:19 pm
STマイクロエレクトロニクスは、Qualcomm Technologies社のQualcomm® Platform Solutions Ecosystemプログラムを通じて提供される同社のテクノロジーを活用し、革新的なソフトウェア・ソリューションを開発することを発表しました。これにより、STはセンサ技術におけるリーダーシップをさらに高めます。
STは、このプログラムを通じてMEMSおよびその他のセンサ機器向けの動作確認済みソフトウェアをメーカーに提供し、次世代スマートフォンやコネクテッドPC、IoT機器、およびウェアラブル機器における先進的な機能の実現に貢献します。Qualcomm Technologies社は、最先端の5G対応モバイル機器のリファレンス・プラットフォームに、STの高精度かつ低消費電力の最新MEMSモーション・センサ「LSM6DST」およびインテリジェントなセンサ・ソフトウェア、最高精度の大気圧センサを採用しています。
LSM6DSTは、3軸デジタル加速度センサと3軸ジャイロ・センサを集積した小型・高効率のシステム・イン・パッケージ(SiP)です。消費電力が高性能モードで0.55mA、加速度センサのみのモードでわずか4μAときわめて低いため、消費電力を最小限に抑えつつ、常時オンの高精度モーション・トラッキングを実現することができます。また、業界で初めてI3Cに対応した低ノイズ(0.65Pa)かつ高精度(±0.5hPa)の大気圧センサ「LPS22HH」と組み合わせることで、消費電力の厳しい要件を満たしつつ、高精度の位置トラッキングが可能です。
さらに、LSM6DSTは、イメージング・アプリケーション向けに、電子式手ブレ補正機能(EIS)および光学式手ブレ補正機能(OIS)に完全対応しています。独立したOIS専用の設定可能な信号処理パス、およびジャイロ・センサと加速度センサ両方の設定が可能なセカンダリSPIを搭載しているため、セカンダリSPIとプライマリ・インタフェース(SPI / I2C & MIPI I3CSM)によりOISの設定が可能です。
LSM6DSTには、STの堅牢かつ成熟した低消費電力プロセス技術ThELMAが活用されています。そのため、低消費電力回路の設計に簡単に統合することができ、センサ素子とアプリケーションのインタフェースにはI2C、MIPI I3C®、またはSPIを利用することができます。また、データの動的なバッチ処理に対応した9KBのFIFO、およびセンサからのプログラムされたデータ・シーケンスを認識する16のステート・マシンが搭載されているため、システム・レベルでの省電力化が可能です。
Qualcomm Technologies社の製品管理担当バイスプレジデントであるKeith Kressin氏は、次のようにコメントしています。
「STは、Qualcomm Technologiesのソリューションにおけるセンサの重要性を以前から認識しており、長年にわたり当社と緊密な協力関係を築いてきました。MIPI I3Cなどの新しいインタフェースに対応し、センサの精度を維持、あるいは向上させると同時に、機器の消費電力を大幅に低減することができるセンサにより、STはセンサ技術におけるリーダーシップを示しています。STがQualcomm Platform Solutions Ecosystemプログラムに参加することで、当社の常時オン、低消費電力のモバイル機器向けプロセッサであるQualcomm® Snapdragon™プラットフォームにSTの先進的なセンサ・アルゴリズムを統合し、最適化できることを嬉しく思います。さまざまな業界で5G技術の速やかな普及を実現するためには、STのような戦略的ベンダーとの連携が不可欠です。」
STのグループ・バイスプレジデント 兼 MEMSセンサ事業部ジェネラル・マネージャAndrea Onettiは、次のようにコメントしています。
「Qualcomm Technologies社との長年にわたる密接な協力関係を通じて、次世代のモバイル機器やウェアラブル機器、そしてQualcomm® SensorExecution Environmentで使用できるソフトウェア・ソリューションにおける厳しい要件を満たすセンサを実現することができました。LSM6DSTは、スマートフォンやノートPCのヒンジ / 折り曲げ時の角度検出といった先進的な機能を搭載しているだけでなく、このような機能のシームレスな統合や、製品の開発期間短縮にも貢献します。さらに、低消費電力・高精度のLSM6DSTを、高精度かつ優れた堅牢性を特徴とし、優れた対時間 / 対温度安定性を持つSTの大気圧センサと組み合わせることで、緊急通報システム(eCall)などの厳しい要件を満たすきわめて高い測位精度を実現することも可能です。」