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PALTEK提供のロバステル社LTEルーターと日本アンテナの防爆アンテナが三菱重工のプラント巡回点検ロボットに採用

2020.12.8  3:34 pm

株式会社PALTEK(神奈川県横浜市)が販売するGuangzhou Robustel LTD(ロバステル社)の産業向けLTEルーター「R2000」と、日本アンテナ株式会社(東京都荒川区)と共同開発した防爆※1アンテナが、三菱重工業株式会社が開発するプラント巡回点検ロボット「EX ROVR(エクスローバー)」に採用されることが決定しましたのでお知らせします。
  
プラント巡回点検ロボット「EX ROVR」
  
今回採用された三菱重工が開発するプラント巡回点検ロボット「EX ROVR」は、引火性ガスの中でも自らが出す電気火花や熱などで爆発や火災を引き起こす危険性を抑えた防爆性能を有するプラント巡回点検ロボットです。
  
高い走破性能を有し、階段昇降を含むマルチフロアを自律で移動することができ、可視カメラ、熱画像カメラ、ガス検知器、マイク等を搭載し、可視画像、熱画像、ガス濃度などのプラント情報を自動で取得することが可能です。
  
日本における国内防爆指針および欧州をはじめ世界で広く採用されている防爆認証のATEX/IECEx※2に適合した防爆設計で、可燃性ガスのある危険場所(Zone1※3)で安全に使用することができるものとして開発されています。

三菱重工が開発するプラント巡回点検ロボット「EX ROVR」

LTEルーター「R2000」採用のポイント
  
1) 海外通信キャリアでの認証を取得
ロバステル社のLTEルーターは日本を始め、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアなどの20以上の携帯電話キャリアで認証を取得しているため、日本国内のみならず海外においても迅速にIoTインフラを構築することができます。プラント巡回点検ロボット「EX ROVR」は動くセンサーとしてプラント内でのIoTシステムを構成し、海外での利用も想定されるため、海外通信キャリアでの認証取得は必須となります。

PALTEK提供のロバステル社LTEルーターと日本アンテナの防爆アンテナが三菱重工のプラント巡回点検ロボットに採用
今回採用されたロバステル社「R2000」

2) 防爆対応のアンテナ開発
プラント巡回点検ロボット「EX ROVR」に搭載されるアンテナは防爆対応が必須となるため、PALTEKのパートナー企業である日本アンテナ協力のもと、グローバルLTEに対応した防爆アンテナを新規に共同開発することで三菱重工のニーズに対応しました。現在、LTEルーターとアンテナのセットで各国での通信認証は取得中です。
  
  

※1 防爆:爆発性雰囲気を生成するおそれのある危険箇所で、電気機器から発生する火花や高温による爆発性雰囲気の点火を防ぎ、電気機器を安全に使用するための考え方です。
  
※2 IECEx:爆発性雰囲気下で使用する機器の認証に関する国際システムで、その品質評価規定はIEC(国際電気標準会議)が作成した規格に基づいています。
  
※3 Zone1:日本国内で使用できる防爆製品が適合している防爆規格の指針には、日本固有の構造規格に基づく「ガス蒸気防爆2006」、IECの考え方を取り入れた「国際規格に整合した技術指針2008」、IEC規格に完全に整合させた「国際整合防爆指針2015」の3つの指針があります。IEC規格におけるZone1は、“通常の状態において、爆発性雰囲気をしばしば生成する可能性がある箇所”と定義されています。