SOLUTION
STマイクロエレクトロニクスがLoRa®対応ワイヤレス・マイコン STM32WLシリーズを拡充
2020.12.16 11:32 am
さまざまな変調方式をサポートするLoRa(R)対応ワイヤレス・マイコンが革新的なIoT機器の開発を加速
STマイクロエレクトロニクスは、世界初のLoRa®対応ワイヤレス・マイクロコントローラ(マイコン)STM32WLシリーズを拡充し、さまざまなマス・マーケット・アプリケーション向けに柔軟な機能セットおよびパッケージ・オプションを追加しました。
STM32WLシリーズは、LoRaベースの低消費電力広域ネットワーク(LPWAN)に対応し、システム・オン・チップ(SoC)として提供される世界初のワイヤレス・マイコンです。きわめて小型かつ電力効率と信頼性に優れたIoT機器の開発に貢献します。
LPWANは、幅広い地域や遠隔地においてコスト・パフォーマンスに優れた通信を可能にします。そのため、IoTの通信範囲を拡大させるとともに、公共事業や農業、輸送、交通機関をはじめとするさまざまな業界において、スマート・テクノロジーを活用した高い付加価値を実現することができます。
STのグループ・バイスプレジデント 兼 マイクロコントローラ事業部ジェネラル・マネージャであるRicardo de Sa Earpは、次のようにコメントしています。
「LoRaWANやSigfoxなどを使用した長距離IoTネットワークは現在、世界的に展開されており、環境モニタリングやアセット・トラッキングなどのアプリケーションにおいて、革新的で利便性の高いIoT機器を接続することができます。汎用マイコンと複数の変調方式をサポートするSub-GHz無線トランシーバを1チップに集積したSTM32WLシリーズをマス・マーケットに提供することで、長距離IoTネットワーク活用した画期的な製品の開発を加速させ、優れた機能や利便性、および高い価値を提供することが可能になります。」
STM32WLシリーズは、STの超低消費電力マイコン・アーキテクチャと、複数の変調方式に対応するSub-GHz無線通信サブシステムを兼ね備えています。
低RF信号強度で高受信感度を実現するLoRaのほか、SigfoxやワイヤレスMeter-Bus(wM-Bus)などのプロトコル、独自プロトコル、およびSub-GHz長距離無線プロトコルに使用される(G)FSK、(G)MSK、BPSK変調方式をサポートしています。また、2種類の送信電力に対応しているため、免許が不要のSub-GHz帯において、世界各地域のRF規格に準拠することができます。
今回STM32WLシリーズに追加されたデュアルコア搭載STM32WL55マイコンは、Arm® Cortex®-M4とCortex-M0+マイコンをベースとしており、いずれも完全にオープンな環境で柔軟な開発が可能です。デュアルコア・アーキテクチャにより、サイバー・セキュリティを強化する効果的なハードウェア分離が可能なほか、アプリケーションのアップデート時に新しい無線通信製品としての再認証が不要になり、無線通信とアプリケーション双方のリアルタイム性能が向上します。
STM32WLシリーズでは、2020年1月に発表されたシングルコア搭載のSTM32WLE5マイコンも提供されています。BGA73およびQFN48パッケージで提供される同製品は、Cortex-M4を使用して無線通信およびアプリケーションの処理を行います。また、シングルコア搭載のSTM32WLE4およびデュアルコア搭載のSTM32WL54という2品種のLoRa非対応製品も製品ラインアップに加わり、新たなワイヤレスIoTプロジェクトにおいて、より柔軟な開発を実現します。
STM32WLシリーズの製品はすべて、STが産業機器向け製品に適用している10年間の長期製品供給保証の対象製品です。
価格およびサンプル提供については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店までお問い合わせください。
詳細 https://www.st.com/ja/microcontrollers-microprocessors/stm32wl-series.html?icmp=tt18943_gl_pron_nov2020