SOLUTION
Microchipが2次側マイクロコントローラで1次側電力を制御できる電力制御リファレンス デザインを提供
2021.1.7 6:49 pm
最新のオフラインAC/DC電源ソリューションでは、スマートホーム デバイスを電源系に接続するために必要な柔軟性とインテリジェンスを、プログラマブルである事と適応制御によって実現しています。これらのシステムでは、2次側マイクロコントローラ(MCU)は通常、システム起動に独立したバイアス電源を必要とします。
Microchip Technology Inc.(日本法人:東京都港区)は今回、MCP1012高電圧補助AC/DCコントローラを使ってこの問題を解決し、多くのアプリケーションで独立したバイアス電源が不要となる事をリファレンス デザインにより実証しました。MCP1012を使うと、2次側MCUで電力とデューティ サイクルを制御できます。シンプルな設計によってシステムと負荷を精密に制御でき、サイズとコストを削減できます。
本リファレンス デザインは絶縁型帰還に特許取得済み絶縁技術を使っています。その技術はInde-FluxTMトランステクノロジと呼ばれるもので、Würth Elektronik eiSos社にライセンスされています。Inde-FluxトランスはこのInde-Fluxテクノロジを採用しており、またWürth Elektronik eiSos社がこのIPを使って製造した初めてのトランスであり、Microchip社の15 W MCP1012オフライン リファレンス デザインの一部として販売されているものです。このトランスは信号電源と信号通信を1デバイスに統合しており、オプトカプラによる帰還も独立した信号用トランスも不要です。
このリファレンス デザインは、従来型の平面型パルストランスを使った方法、オプトカプラや信号用トランスを使う従来型の設計にも対応しています。このInde-Fluxトランス、MCP1012AC/DCコントローラ、SAM D20シリーズ32ビットMCUを組み合わせて2次側の制御を可能にしています。
1次側補助コントローラMPC1012はシステムを起動し、2次側MCUによるオフライン フライバック コンバータのゲート駆動および保護を補助します。本デバイスを使うと、電流と電圧の直接計測と能動的レギュレーション、直接ループクロージャによる高ループ帯域幅、負荷を参照するシステム用のシンプルな通信等幅広い利点が得られます。
15 W MCP1012オフライン リファレンス デザインには、1次側補助電源を不要とするための15 Wオフライン電源設計の主な機能要素とファームウェアが含まれています。そのため電化製品、スマートスピーカ等各種アプリケーションで、オプトカプラを不要とする事を含めシステムをシンプルにできます。Würth Elektronik eiSos社との提携により、Inde-Fluxトランステクノロジを各種電圧および電力レベルの標準およびカスタムトランス設計に、必要に応じて適用できます。
「弊社のInde-Fluxテクノロジを採用したWürth Elektronik eiSos社のトランス、MCP1012 AC/DCコントローラ、SAM D20シリーズ32ビットMCUを組み合わせる事で、ユニークなオフライン電源管理ソリューションを生み出す事ができます」とMicrochip社アナログ、パワー、インターフェイス部門副社長のRich Simoncicは述べています。「これらのデバイスを使うと、オフライン電源を利用した多くの絶縁型アプリケーションで使われている1次側と2次側の機能要素間の複雑な双方向通信を、シンプルかつ信頼性の高い方法で実装できます。2次側MCUを備えたシステムでこのソリューションを使った場合、バイアス電源の基板面積を最大60%削減でき、バイアス電源の部品コストを3米ドル以上低減できます。」
開発ツール
15 W MCP1012オフライン リファレンス デザインと一緒にユーザガイド、回路図、部品表、設計ファイル、ファームウェア、デモユニットを提供します。MCP1012 AC/DCコントローラ向けの1 W評価用ボード(DT100118)も提供します。
在庫/供給状況
15 W MCP1012オフライン リファレンス デザインは本日より提供を開始いたします。DT100118 1 Wリファレンス デザインも本日より提供を開始いたします。MCP1012-V/EKAは本日より5,000個単位で受注を開始いたします。