SOLUTION
NXPがアクセス・デバイス向けWi-Fi 6E Tri-Bandチップセットで6GHz帯サポート
2021.1.19 1:33 pm
新製品のCW641はアクセス・ポイントやサービス・プロバイダ・ゲートウェイ向けに開発され、終端ネットワーク・デバイスによる6GHz帯のフル活用を可能に
NXP Semiconductorsは新しいWi-Fi 6E Tri-Bandシステム・オン・チップ(SoC)CW641を発表し、6GHz帯で動作可能なWi-Fi 6デバイスの新時代を切り拓きました。従来の2.4GHz帯と5GHz帯がますます混雑する中で、米連邦通信委員会は世界の他の地域とともに、6GHz帯向けに1.2GHzの免許不要帯域を認可しました。これにより、Wi-Fi使用環境が大きく変化します。NXPはスループット、容量、信頼性の向上とレイテンシの改善により、6GHz帯の利用とWi-Fi容量の拡大を実現するWi-Fi 6Eデバイスを投入します。
新製品のCW641はアクセス・ポイントとサービス・プロバイダ・ゲートウェイ向けに開発されており、4Gbpsを上回る速度と新しい6GHz帯でのマルチユーザー性能を可能にし、容量の拡大とレイテンシの低減によってWi-Fiユーザー・エクスペリエンスを大幅に向上します。ゲートウェイ・プラットフォームへの6GHz機能の追加により、サービス・プロバイダは利用可能な帯域幅を複数のデバイスに対し効率的に分割し、広範なアプリケーション向けに最適なユーザー・エクスペリエンスを提供できるようになります。メッシュ・バックホールやクラウド・ゲームなどのミッション・クリティカルで高帯域、低レイテンシのアプリケーションは6GHzへの移行に最適で、他の低帯域アプリケーション向けに5GHz帯と2.4GHz帯を解放できます。
NXPの新しいWi-Fi 6E Tri-Band SoCは、変革を可能にする6GHz帯のフル活用により、住宅内メッシュ・ネットワーク、高解像度音楽/動画ストリーミング、オンライン・ゲーム、ビデオ通話、デジタル・ダウンロード、大データ容量のウェブ・コンテンツなど多数のユースケースで性能向上を可能にします。CW641 SoCはアクセス・ポイント・アプリケーションのほか、コンシューマ、車載、産業、IoTなどの分野全般で高性能Wi-Fi 6Eアプリケーションの新たな開発の可能性を拓きます。
CW641の主な特長
・4空間ストリームの4x4 Wi-Fiデバイス
・6GHz、5GHz、2.4GHz動作をサポート
・160/80/40/20MHzチャネル帯域幅
・4.8GbpsのピークPHYレート
・アップリンク/ダウンリンク直交周波数分割多重接続(OFDMA)
・アップリンク/ダウンリンク・マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)
NXPのワイヤレス・コネクティビティ・ソリューション担当マーケティング責任者のLarry Olivasは、次のようにコメントしています。
「NXPのWi-Fi 6Eチップセットはマルチギガバイト・データレート、低レイテンシ、高いマルチユーザー性能を提供し、今日のワイヤレス・ネットワーキング・アプリケーションで必要な容量拡大が長年のニーズであった6GHz製品を求めるお客様の期待に応えます。6GHz帯をサポートする私たちの初のWi-Fi 6E SoCであるCW641は、マルチデバイス・アプリケーション向けルータやゲートウェイに対し混雑していない周波数チャネルの利用を可能にし、全般的なWi-Fiのユーザー・エクスペリエンスを向上します。私たちの新チップセットはこの混雑していない新帯域のフル利用を可能にし、これにより、Wi-Fi 6Eネットワークでのデバイスへの干渉を低減し性能を向上します」。
ABI Researchの主席アナリストのAndrew Zignani氏は、次のようにコメントしています。
「Wi-Fi向けに6GHzの免許不要帯域の利用が可能になったことは、Wi-Fi使用環境に対する近年の最もエキサイティングで大きな変革であり、スループット、容量、信頼性、サービスの質が大幅に向上します。これにより、現在の主要な技術的課題への対応が可能になるとともに、新たなワイヤレス・サービスが実現します。しかし、こうした可能性の実現のためには、Wi-Fi業界には市場のさまざまな要求に効率的に対応できる新しいWi-Fi 6Eチップセットが必要です。NXPの最新のCW641 Wi-Fi 6Eチップセットなどのソリューションは6GHzインフラの展開実現の基盤を構築する役割を果たし、最終製品、アプリケーション、サービスの広範なエコシステムによるWi-Fiの極めて大きな新しい可能性の活用を可能にします」。