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IARシステムズが最先端の組込み開発ツールで64ビットArmコアのサポート開始

2021.2.24  3:55 pm

IARシステムズが最先端の組込み開発ツールで64ビットArmコアのサポート開始

32ビットから64ビットアーキテクチャへの容易な移行により、完全統合型開発ツールチェーンIAR Embedded Workbenchを使用して将来にわたる組み込み開発が可能に

IARシステムズ株式会社(本社:スウェーデン・ウプサラ市、日本法人:東京都千代田区)は、C/C++開発ツールチェーンであるIAR Embedded Workbench for Armが、Arm Cortex-A35、Cortex-A53、Cortex-A55を含む64ビットArmコアへのサポートを開始することを発表しました。IARシステムズは、IAR Embedded Workbenchにより、市場で最も多品種のマイクロコントローラをサポートし、さまざまな組織のニーズを満たす適応型ライセンスオプションをお客様に提供します。
   
組み込みシステム業界では、64ビットコアをベースとするアプリケーションがますます増加しており、この傾向は、低消費電アプリケーションや高機能組み込み機器、ハンドヘルド機器などの分野で顕著です。このようなアプリケーション分野において、IAR Embedded Workbenchは強力な足がかりを築いており、性能とエネルギー効率を最大限に引き出せるツールチェーンとして多くの企業から選ばれています。IARシステムズは、64ビットArmコアの性能が必要な最先端設計をサポートすることで、このツールチェーンが持つ業界トップクラスの最適化テクノロジーを64ビットデバイスでもご利用いただけるようにしました。さらに、統合コード解析ツールによってコード品質が確保され、機能安全性があらかじめ認証済みのツールチェーンバージョンを利用することで認証作業の簡素化を図ることができます。
   
高度な最適化ビルドツールを補完するため、IAR Embedded Workbench for Armは、コードやデータ用の複合ブレークポイント、ランタイムスタック解析、コールスタックの可視化、コードカバレッジ解析、消費電力の総合的なモニタリングなど、デバッグおよび解析のための広範な機能を備えています。IARシステムズのI-jetデバッグプローブと高性能C-SPY Debugger 64ビット命令セットシミュレータはさらに進んだ機能を有しており、シームレスで柔軟な開発ワークフローの実現を後押しします。このツールチェーンによって、Cortex-A(32/64ビット)、Cortex-R(32ビット)、Cortex-M(32ビット)を組み合わせたデバイスやシステムオンチップ(SoC)のマルチコアデバッグが可能となります。
IAR Embedded Workbench for Armには、最先端のリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)やミドルウェアベンダーによってあらかじめ統合済みのソフトウェアソリューションも用意されています。
   
IARシステムズのCEO、Stefan Skarinは次のように述べています。
「私たちはお客様と供に8ビットの世界から出発し、32ビットの世界を歩んできました。そして今も64ビットの世界へ向かって旅を続けています。性能や品質を損なうことなく、先進機能を提供できる統合化された柔軟なソリューションが必要とされる今、IARシステムズはいち早く64ビットデバイスを採用された多くのリーディング企業と連携し、各社の技術を可能な限りスムーズにかつ効率よく切り替えて、次世代の組み込みアプリケーションの開発をサポートいたします。今回拡張された製品を通じてIARシステムズは、将来に向けた開発ツールプラットフォームを構築し、お客様のこれまでの投資を最大活用すると同時に来るべきイノベーションに対する備えもできるようにしてまいります」
   
IAR Embedded Workbench for Armの最新バージョンでは、i.MX 8M、 i,MX 8M Mini、i.MX 8 Nano といったNXP i.MX 8シリーズのアプリケーションプロセッサなど、さまざまな64ビットプロセッサに対応したサポートが提供されています。
   
NXP Semiconductorsのi.MX エコシステムディレクタ、Robert Thompson 氏はこう述べています
「さらに高性能な組み込みプロセッサ上に、リアルタイムアプリケーションを実装することを待ち望んでいた開発者にとって、IAR Embedded Workbench for Armが64ビットに対応したことは素晴らしいニュースです。NXPの i.MX 8Mのアプリケーションプロセッサは、グラフィック、画像、音声コントロール、機械学習、インテリジェントセンシング、汎用処理を必要とする、低消費電力でスマートなインターネット接続デバイスに対し、優れたコストパフォーマンスで統合できる、低価格かつ高性能なプロセッサです。IARシステムズとNXPは、長年にわたり組み込み処理分野で協力し合い、技術を共有してきました。その技術の積み重ねがあったからこそ、64ビット組み込みアプリケーション用の強力な開発プラットフォームを提供することができたのです」
   
IAR Embedded Workbench for Armのバージョン9.10は、Armv8-A実行モデルAArch64とArm AArch-64データモデルILP32およびLP64をサポートし、Arm AEABI 64ビットとC++ IA64 ABIおよびC++ IA64例外処理ABIに対応しています。IAR Embedded Workbench for Armの詳細および最新情報については、www.iar.com/jp/armをご参照ください。