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CEVAがTWSイヤホンやスマートウォッチ、ウェアラブル機器を対象にした新ワイヤレス・オーディオ・プラットフォーム「Bluebud™」を発表

2021.3.2  5:56 pm

CEVAがTWSイヤホンやスマートウォッチ、ウェアラブル機器を対象にした新ワイヤレス・オーディオ・プラットフォーム「Bluebud™」を発表

DSPによるBluetooth®オーディオIPの標準化へ

2021年2月22日 – 米国メリーランド州ロックビル
CEVA,Inc.は本日、高度に統合されたワイヤレス・オーディオ・プラットフォーム「Bluebud™」を発表しました。TWS(完全ワイヤレス・イヤホン)、ヒアラブル・デバイス、ワイヤレス・スピーカー、ゲーミング・ヘッドセット、スマートウォッチ、その他のウエアラブル機器を始め、急成長のBluetoothオーディオ市場向けに、DSPによるBluetoothオーディオIPの標準となることををめざしたプラットフォームです。Bluetoothオーディオ市場は、今後急拡大が見込まれており、ABI Researchの予測によれば、2024年までにBluetoothオーディオ機器の年間出荷数は20億セット近くに達する見通しです。
   
半導体メーカーやシステムメーカーではワイヤレス・オーディオ・システム開発の際に技術的な複雑さや専門ノウハウの不足の課題を抱えていますが、Bluebudは、こうした課題を解決するために誕生しました。収益性の高いBluetoothオーディオ市場参入を検討する企業がSoC(システム・オン・チップ)を設計する際、このプラットフォームは、標準化仕様の自己完結型ソリューションを開発し、SoC設計にドロップインの形で効率的に組み込めるため、市場参入時の大きな障害が劇的に減少し、製品化期間の大幅短縮にも寄与します。Bluebudは、CEVAのDSP汎用アーキテクチャーである「CEVA-BX」やオプションのホストCPUによって、ホスト・レベルのアプリケーション・ソフトウェアをサポートしており、最終製品の差別化を容易にします。
   
同プラットフォームは、CEVAの「RivieraWaves Bluetooth 5.2 IP」(ClassicAudioとLE Audioの両オーディオ仕様に対応)とオーディオ・プロセッサーの「CEVA-BX1」を組み合わせ、ワイヤレス・オーディオに必要なあらゆる周辺処理機能も搭載し、22nmプロセス技術による0.5mm2に満たないコンパクトなフットプリントで低消費電力設計を実現します。シングルコア・アーキテクチャーのため、RFからオーディオ出力までの全体的なレイテンシーを20ms未満に抑え、動画やゲーミングの用途で申し分のないオーディオ/ビデオの同期が可能です。また、完全統合型のBluetoothオーディオ・プラットフォームならではの高度なクロック・スケーリングや電圧スケーリングを生かし、アイドル時やスリープ時のパワーダウン・モードをサポートする先進の電力管理ユニットも搭載しています。
   
さらに、半導体メーカーやOEMメーカーは、オンボードのCEVA-BX1 DSPコアにソフトウェア・フレームワークのSenslinQ DSPを組み合わせ、CEVA製やエコシステム・パートナー製のソフトウェア、あるいはお客様独自のカスタム・ソフトウェアをシームレスに統合できます。CEVAがBluebud向けにオプションで提供するソフトウェアとしては、マルチマイクロフォン対応ノイズ・リダクション&音響エコー・キャンセレーション・モジュール「ClearVox」、音声トリガーモジュール「WhisPro」、タップ&ダブルタップ操作、ヘッド・トラッキング、耳への装着検出、動作識別によるユーザーの操作を実現するモジュール「MotionEngine Hear」などがあります。Bluebudでは、AI推論処理の軽いワークロードであれば、ニューラル・ネットワーク・フレームワークのTensorflow Lite Microにネイティブ対応しているため、音声アシスタント起動やコンテキスト・アウェアネスのサウンド・イベント検知のためのウェイク・ワード・エンジンなどのTinyMLモデルを実行できます。
   
CEVAのCTO、Erez Bar-Nivは次のように述べています。
「TWSイヤホンなどワイヤレス・オーディオ機器に対する消費者の需要は飛躍的な伸びを示しています。また、利用シーンはますます多岐に渡り、新機能が続々と投入されています。Bluebudプラットフォームは、半導体メーカーやシステムメーカーにとって、DSPによるBluetoothオーディオIPの標準化に役立ちます。安定した高品質のBluetooth通信やオーディオ性能を実現するドロップインIPによって、Bluetoothオーディオ・パケットの同期という複雑な課題を解決します。Bluebudは、当社のオーディオ、音声、センサー・フュージョン、AIソフトウェアを網羅するポートフォリオでサポートされているため、低予算タイプからプレミアム・タイプまであらゆるレベルのニーズに対応し、差別化につながる卓越した性能のワイヤレス・オーディオ・ソリューションを、かつてないほどの短期間で開発できます」
   
Bluetooth 5.2とその重要な柱となるLE Audioの登場以来、音質やリンク強度を改善する新機能のおかげでBluetoothオーディオが大きく変わり、オーディオ・シェアリング機能の新たな適用領域も広がっています。音質の向上は、CEVA-BX1に最適化済みのLC3コーデックによるところが大きく、これも省電力化に寄与し、TWSイヤホンや他のオーディオ・ストリーミング機器のバッテリーの長寿命化につながっています。

CEVA-BX1プロセッサーは、効率的なDSP演算処理能力に、組み込みアプリケーションの高度なプログラミング機能とコンパクトなコード・サイズの要件を兼ね備えています。11段パイプラインと4-way VLIWマイクロアーキテクチャの下、ニューラル・ネットワーク推論、ノイズ・リダクション、エコー・キャンセレーション、高精度センサー・フュージョン・アルゴリズムに広く使われているSIMD(Single Instruction Multiple Data)ISAによる並列処理に対応します。CEVA-BX1には、先進のLLVMコンパイラー、Eclipseベースのデバッガー、DSPとニューラル・ネットワークの演算ライブラリー、Tensorflow Lite Microの形でのニューラル・ネットワーク・フレームワークのサポート、業界トップクラスのRTOS(リアルタイムOS)の採用など、総合的なソフトウェア開発ツール・チェーンが付属します。
   
Bluebudプラットフォームの特長

  • DSPとコントロールの機能を備えたシングル・コアのCEVA-BX1プロセッサーのため、マルチ・コアで同様のシステムを開発する場合に比べ、SoCアーキテクチャーの簡素化が可能
  • Bluetoothのリンク制御、ホスト・プロトコル・スタック、プロファイル、オーディオ・コーデック、アプリケーションまであらゆるものが組み込み済みのCEVA-BX1で実行できる自己完結型のBluebudでは、ユーザー・アプリケーション実行用のホストCPUをSoCインテグレーターに追加するオプションを搭載
  • Classic AudioとLE Audioの両方に対応したBluetooth 5.2をサポートし、Bluetooth次期バージョンにアップグレード可能
  • Bluetoothのオーディオ・ストリーミングに必要なClassic Audioの完全なソフトウェア・スタック
     ・音楽ストリーミング用A2DPプロファイル(コーデックはSBC、AAC、MP3などに対応)
     ・音声通話用のHFPプロファイル(コーデックはCVSD、mSBCなどに対応)
  • Bluetooth Low Energy(BLE)でのオーディオ・ストリーミングに用いられるLE Audioの完全なソフトウェア・スタック
     ・音声通話・音楽ストリーミング用のオーディオ・プロファイル(コーデックはLC3などに対応)
  • 音声通話と音楽ストリーミングの両方で、左右チャネル間の低ジッター・低レイテンシーを実現する安定したTWS(完全ワイヤレス・ステレオ)通信
  • イヤホン本体のL側とR側のシームレスな役割交代でバッテリー寿命を最大化
    -マルチソース対応の簡単迅速なペアリングで、イヤホン本体を複数機器に接続し、必要に応じて機器を瞬時に切り替え可能
       
CEVAがTWSイヤホンやスマートウォッチ、ウェアラブル機器を対象にした新ワイヤレス・オーディオ・プラットフォーム「Bluebud™」を発表

・出荷時期
Bluebudプラットフォームは、2021年第1四半期末までにライセンス提供を開始します。詳細については、https://www.ceva-dsp.com/product/ceva-bluebud/をご覧ください。