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STマイクロエレクトロニクスがAI/IoTシステムのセキュリティを強化するSTM32MP1 MPU向け開発エコシステムを拡充

2021.3.4  1:54 pm

STマイクロエレクトロニクスがAI/IoTシステムのセキュリティを強化するSTM32MP1 MPU向け開発エコシステムを拡充

STマイクロエレクトロニクスは、デュアルコア搭載マイクロプロセッサ「STM32MP1」を使用した開発をサポートする広範な開発エコシステムに、新しいソフトウェア・パッケージとオープン・ソースによる最先端セキュリティ・ソリューションのサポートを追加しました。
   
拡充された開発エコシステムでは、STM32MP1を使用したシステム開発において、機密性、完全性、可用性、真正性の検証などの重要な情報セキュリティを実現するために、OP-TEE(Open Portable Trusted Execution Environment)やTF-A(Trusted Firmware-A)プロジェクトなどのセキュリティ・メカニズム用コードを提供します。また、組込みセキュリティの認定パートナー企業としてSequitur Labs社を新たに迎えました。
   
Sequitur Lab社のSTM32MP1向けEmSPARK™ Security Suiteは、セキュア・ブートや機器認証といった保護技術を実装するファームウェア開発を効率化します。Sequitur Labs社の最高経営責任者(CEO)であるPhilip Attfield氏は、次のようにコメントしています。
「私たちは、STのパートナー企業としてEmSPARK Security Suiteを提供し、きわめて重要なデバイス保護における要件をSTM32MP1で実現できることを誇りに思います。EmSPARKとSTM32MP1を組み合わせることで、IoTアプリケーションおよびデータの安全性を確立します。」
   
EmSPARK Security Suiteは、STM32MP1に搭載されたArm® TrustZone®アーキテクチャで動作し、セキュアなプロビジョニングを可能にするため、IoT機器の導入を簡略化すると共に、機密情報の安全性を維持します。産業機器制御やビル・オートメーション、スマート・ホーム機器、マシン・ビジョン、車載用通信機器、医療機器などのアプリケーションに最適です。
   
また、STM32MP1の開発エコシステムには、セキュリティ・ソフトウェア開発における課題に対応する信頼性に優れた実証試験済みのソリューションも追加され、STの認定パートナー企業であるProve&Run社、TimeSys社、およびWitekio社により提供されています。
   
Prove&Run社は、カスタム・セキュリティ・エンジニアリング・サービス(セキュア・ブート、セキュア・ファームウェア、OP-TEE)、および認証済みのセキュアOSである「ProvenCore」を活用した高度なソリューションを提供し、STM32MP1を使用した設計におけるセキュリティ実装をサポートします。また、TimeSys社のVigiles®脆弱性管理スイートは、OpenSTLinuxに組み込まれており、サイバー攻撃を常時モニタリングしながら脆弱性のライフサイクル管理を実現します。Witekio社のオープンソースOver-The-Air(OTA)ソリューションであるFullMetalUpdateは、IoTプラットフォーム・オペレータによる独自のOTAファームウェア更新の管理を可能にし、優れたセキュリティ、柔軟性、およびコスト効率を実現します。
   
また、STは、コンピュータ・ビジョン開発におけるAIの活用と予知保全アプリケーションの開発期間短縮に貢献する、STM32MP1用ソフトウェア拡張パッケージ「X-LINUX-AI」および「X-LINUX-PREDMNT」の詳細を発表しました。X-LINUX-AIは、AI開発を目的としたSTM32MP1マイクロプロセッサ用のOpenSTLinux拡張パッケージで、Linux AIフレームワークとサンプル・アプリケーションが含まれています。
STM32の評価ボードやDiscovery Kitと共に使用することで、コンピュータ・ビジョン機能の実装を迅速に開始することが可能です。
   
X-LINUX-PREDMNTは、センサとクラウド・サービス間のエッジ・ゲートウェイ機能の実装を実現し、予知保全アプリケーションの開発加速に貢献します。処理済みのセンサ・データをIoTクラウドに送信する機能や、ダッシュボード上でデータを可視化する機能、データを解析してメンテナンスが必要となる可能性のある状態を検出する機能などに加えて、AWS IoT Greengrassエッジ・コンピューティング・サービスも含まれています。
   
さらに、セーフティ・ドキュメントおよび自己診断機能ライブラリ・ソフトウェア・パッケージ「X-CUBE-STL」もSTM32MP1の開発エコシステムに追加されています。X-CUBE-STLは、IEC 61508の安全度水準SIL-2とSIL-3に対応した機能安全性システムの構築と認証取得に最適なソフトウェア・パッケージです。また、STM32MP1に搭載されたデュアルコア・アーキテクチャによる並列処理機能を合わせて活用することで、Arm® Cortex®-M4コアが管理する安全なパーティションとCortex-A7で動作する安全性に関与しないアプリケーションを低コストで分離することができるため、ファクトリ・オートメーションやバッテリ・マネージメント、スマート・メータ、および医療機器などの開発期間短縮が可能になります。
   
詳細およびSTM32MP1用無償ソフトウェアのダウンロードに関しては、ウェブサイトをご覧ください。
https://www.st.com/ja/embedded-software/stm32-mpu-openstlinux-distribution.html
また、最大動作周波数800MHzのSTM32MP1開発ボードは、ウェブサイトから入手可能です。
https://www.st.com/ja/evaluation-tools/stm32-mcu-mpu-eval-tools.html?querycriteria=productId=SS1532$$1=STM32MP157F|STM32MP157D&icmp=tt20017_gl_pron_feb2021#products