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オン・セミコンダクターが世界初の車載品質認定認定済LiDAR用 SiPMアレイを発売

2021.3.4  2:42 pm

高効率エネルギーへのイノベーションを推進するオン・セミコンダクター(米国アリゾナ州フェニックス)は、幅広いインテリジェントセンシング・ソリューションに LiDAR センサ機能を拡張した、新製品のRDMシリーズ・シリコン光増倍率(silicon photomultiplier、SiPM)アレイを発表しました。新製品「ArrayRDM-0112A20-QFN」 は、市場初の車載認定済 SiPM 製品であり、自動車業界をはじめさまざまな業界における LiDAR アプリケーションで高まる需要に対応します。
   
ArrayRDM-0112A20-QFNは、オン・セミコンダクターの市場を代表する RDM プロセスをベースとした、モノリシックな 1×12 配列の SiPM アレイです。近赤外(NIR)光に対して高感度を実現し、905 ナノメートル(nm)で業界トップクラスの 18.5% の光子検知効率(photon detection efficiency、PDE)(1) を実現します。SiPMの高い内部ゲインにより、シングルフォトンのレベルまでの感度を可能にします。この機能は、高いPDEと組み合わせることで、最も弱いリターン信号を検出できます。これにより、反射率の低いターゲットでも、より遠くまで到達距離を広げることができます。
    
SiPM技術は近年、勢いを増しており、その独特な機能セットにより、幅広い市場の深度センシングアプリケーションに最適なセンサとなっています。SiPMは、明るい太陽光条件下で、長距離レンジングに対して最高のS/N性能を提供する能力を持っています。供給バイアスが低く、気温変化に対する感度が低いなどの付加的な利点により、従来型のアバランシュフォトダイオード(avalanche photodiode、APD)を使用するシステムの理想的なアップグレードになります。SiPM は、CMOS プロセスで量産されており、検出器のコストを最小にできるため、広範囲な市場の LiDAR ソリューションを可能にします。
    
レーザー光を使った物体の距離の測定は、自動車、民生、産業用のアプリケーション分野に広がっています。自動車では、LiDAR は、他のセンシングモダリティを補完し、冗長性を提供することにより、車線維持や交通渋滞支援などの機能を支援し、安全性と運転支援システム(ADAS)を改善します。LiDAR は、ロボットによる輸送など、完全自動運転のユースケースで一般的に使用されるようになっており、環境をリアルタイムで安全にナビゲートします。ArrayRDM-0112A20-QFN の高 PDEによって、これらの機能をサポートする LiDAR システムは 300 メートルを超えることが距離に及ぶことが実証されています。距離が長くなるほど、車両が予期せぬ障害物に対応する時間が長くなります。
    
オン・セミコンダクターのオートモーティブセンシング部門で、シニアディレクターを務めるウェイド・アペルマン(Wade Appelman)は、次のように述べています。
「LiDAR によって提供される高解像度の深度データにより、低照度条件下での瞬時で正確なオブジェクト識別が可能になります。ArrayRDM-0112A20-QFN は、最初の車載品質認定済の SiPM として、安全と自律性の次のレベルに向けた長距離でコスト効率の高い LiDAR ソリューションを可能にします。当社は、多様で相補的なセンシングモダリティを提供することで、センサポートフォリオを継続的に強化し、より高いレベルの ADAS と自動運転への道を切り開きます」
    
Yole 社のテクノロジー&マーケットアナリストである Pierrick Boulay氏は、次のように述べています。
「Yole Développement(Yole)では、LiDARはレベル 2+ 以上に到達するために必要な機能を備えた、自動車の完全な自律化に向けて、必要不可欠なコンポーネントであると考えています。車載品質に認定済かつ十分な性能を備えたセンサの製造は、自動車アプリケーションで LiDAR を大量に採用するための重要な要素であり、現在の傾向に基づいた 2019年から2025年のCAGR は +144% と予想されます(2)」

(1) 標準動作電圧および21°Cにおける最大PDE。高温ではPDEは905nmで25%以上に増加。
(2) 出典:LiDAR for Automotive and Industrial Applications2020report,Yole Développement(Yole), 202