SOLUTION
NXPが2つのアプリケーション・プロセッサ・ファミリを発表
2021.3.8 5:43 pm
エッジ向けセキュリティ機能と電力効率を向上するi.MX 8ULPとMicrosoft(R) Azure Sphere認証済みi.MX 8ULP-CS
NXP Semiconductorsは最新のEdgeLock™セキュア・エンクレーブと革新的なEnergy Flexアーキテクチャをベースとした2つの新しいアプリケーション・プロセッサ・ファミリを発表し、超低消費電力クロスオーバー・アプリケーション・プロセッサ製品ラインナップを拡充しました。
新製品の i.MX 8ULPファミリとi.MX 8ULP-CS(クラウド・セキュア)Microsoft Azure Sphere認証済みファミリは高い電力効率、セキュリティ、性能を必要とする広範な産業、およびIoTのユースケースを対象としています。
・特定用途向け電力性能プロファイルに最適なEnergy Flexアーキテクチャ
チップレベルでの消費電力最適化は、電力効率の高いエッジ・システムの設計においてますます重要性が高まっています。NXPによる革新的なEnergy Flexアーキテクチャは、ポータブルまたはプラグイン・デバイスのバッテリ寿命延長と電力の浪費低減を目的としています。
Energy Flexアーキテクチャはi.MX 8ULPとi.MX 8ULP-CSファミリにおいて、ヘテロジニアス・ドメイン・プロセッシング、設計技術、28nm FD-SOIプロセス技術のユニークな組み合わせにより、前世代製品と比較して電力効率の最大75%向上を実現します。
これらのプロセッサに組み込まれているのは、NXP製RISC-Vコアをベースとするプログラマブルなパワーマネジメント・サブシステムです。このサブシステムは20を超えるさまざまな電力モード構成を制御可能で、フルパワーから30マイクロワットの低消費電力に至るまで、優れた電力効率を提供します。こうした柔軟な構成により、OEM企業や開発者は特定用途向け電力プロファイルのカスタマイズが可能になり、電力効率を最大化できます。
・EdgeLock™セキュア・エンクレーブ:自己完結型の同一ダイ上に統合されたセキュリティ・サブシステム
NXPはターンキー・セキュリティ・ソリューションの提供における長年の歴史を活かし、複雑なセキュリティ技術の実装簡素化とコストのかかるエラーの防止を可能にする事前構成済みセキュリティ・サブシステムとして、EdgeLockセキュア・エンクレーブを発表しました。
飛躍的な技術革新を実現したこの統合ハードウェア・セキュリティは、シリコンでのRoot of Trust、ランタイム証明、トラスト・プロビジョニング、SoCセキュア・ブート強化や、先進攻撃耐性向けの広範な暗号化サービスにより強化された精密な鍵管理などのセキュリティ機能の自律管理を特長としており、同時にセキュリティ認証のプロセスも簡素化します。さらに、EdgeLockセキュア・エンクレーブはデバイス上でのエンドユーザー・アプリケーション動作時の新たな攻撃対象領域の出現防止を可能にするため、電力の移行をインテリジェントにトラッキングします。
セキュア・エンクレーブはi.MX 8ULPとi.MX 8ULP-CSアプリケーション・プロセッサ・ファミリで標準機能となり、多数の超低消費電力エッジ・アプリケーションへのセキュリティの導入を容易にするオプションを開発者に提供します。
・Azure Sphereにより安心なセキュリティ機能を提供
最初に導入した後もエッジ・デバイスのセキュリティを長期的に維持するには、信頼性の高い管理サービスが常時必要になります。NXPはマイクロソフトとの協力によりお客様にこうした機能を提供し、i.MX 8ULP-CS(クラウド・セキュア)アプリケーション・プロセッサ・ファミリでAzure Sphereチップ・クラウド間セキュリティを実現しました。
Azure Sphere認証済みi.MX 8ULP-CSはシリコン自体に組み込まれたセキュアなRoot of Trustとして、EdgeLockセキュア・エンクレーブ上にMicrosoft Plutonを搭載しており、広範なIoT/産業アプリケーション向けの高度にセキュアなデバイスを可能にする重要な一歩となります。セキュアなハードウェアに加え、Azure SphereはセキュアなAzure Sphere OS、クラウドベースのAzure Sphere Security Service、10年超にわたる継続的OSアップデートとセキュリティ向上を提供します。
i.MX 8ULPとi.MX 8ULP-CSファミリはLinux®あるいは Android™向けシングルまたはデュアル・コア高電力効率Arm® Cortex®-A35と、リアルタイム・オペレーティング・システム向けArm Cortex-M33を使用しています。両ファミリはより直観的、セキュアで便利なエッジ向けに設計されており、機械学習/先進オーディオ処理向けCadence®Tensilica® HiFi4 DSPを採用した独立低消費電力フレックス・ドメイン、低消費電力音声/センサ・ハブ・プロセッシング向けFusion DSPの両方あるいは一方を統合しています。i.MX 8ULPファミリは統合されたGPUにより、鮮明な3D/2Dグラフィックを可能にします。