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ザイリンクスがコスト重視 UltraScale+ 製品ポートフォリオを拡充

2021.3.17  1:49 pm

ザイリンクスがコスト重視 UltraScale+ 製品ポートフォリオを拡充

超小型の高性能エッジ コンピューティング向けの新しいアプリケーションに対応

ザイリンクス社 (米国カリフォルニア州サンノゼ) は 3月16日(米国時間)、超小型のインテリジェントエッジソリューションを必要とする新しいアプリケーション市場向けに、同社のUltraScale+™製品ポートフォリオを拡充したことを発表した。従来のチップスケールパッケージよりも70%小型化されたフォームファクターを持つ新しいArtix®およびZynq®UltraScale+デバイスは、産業、ビジョン、ヘルスケア、放送、民生機器、自動車、そしてネットワーク市場の広範なアプリケーションに対応できる。
   
16nm技術を採用した業界唯一のハードウェア適応型コスト重視ポートフォリオであるArtixおよびZynq UltraScale+デバイスに、TSMC社の最先端InFO(Integrated Fan Out)パッケージ技術が適用される。InFO技術を使用するArtixおよびZynq UltraScale+デバイスは、小型パッケージオプションで高い演算密度、最高水準のワットあたり性能、優れた拡張性を備えるため、インテリジェントエッジアプリケーションの要件を満たすことができる。
   
ザイリンクスのプロダクトラインマーケティングおよびマネージメント担当シニアディレクターであるスーミット・シャー(Sumit Shah)は、次のように述べている。
「小型のインテリジェントエッジアプリケーションに対する需要が高まっていることを受け、処理エンジンや帯域幅エンジンには高性能だけでなく、最小フォームファクターのシステムを可能にする新しいレベルの演算密度が求められています。UltraScale+ポートフォリオに追加された新しいコスト重視製品は、既に世界中のシステムに採用されているザイリンクスのUltraScale+ FPGAおよびMPSoCのアーキテクチャと量産実績のある技術をベースに強化された製品です」

Artix UltraScale+ FPGA:高いI/O帯域幅とDSP演算密度を実現
Artix UltraScale+ファミリは、量産実績のあるFPGAアーキテクチャをベースに構築されており、高度なセンサー技術を備えたマシンビジョン、高速ネットワーク、超小型の8K対応ビデオ放送など、幅広いアプリケーションに最適である。Artix UltraScale+ デバイスは16Gb/sトランシーバーを搭載し、ネットワーク、ビジョン、およびビデオアプリケーションの最新プロトコルに対応できる上に、クラス最高のDSP演算性能も実現する。
   
Zynq UltraScale+ MPSoC:消費電力とコストに最適化
コスト最適化されたZynq UltraScale+ MPSoCには、新しいZU1のほかに量産実績のあるZU2とZU3デバイスがあり、これらはすべてInFOパッケージで提供される。Zynq UltraScale+ファミリのマルチプロセッシングSoC(MPSoC)ラインに含まれるZU1は、エッジコネクティビティに特化されており、エンベデッドビジョンカメラ、AV-over-IPの4K/8K対応ストリーミング、ハンドヘルド測定器などの産業およびヘルスケアIoTシステムや、その他の民生用/医療用アプリケーションに最適である。
ZU1は、小型で演算負荷の高いアプリケーション向けに構築されたデバイスであり、ヘテロジニアスなArm®プロセッサベースのマルチコアプロセッササブシステムを搭載している。また、パッケージフットプリントが共通のデバイスに移行することで、より演算機能を拡張することもできる。
   
LUCID Vision Labs社の創設者兼社長であるロッド・バーマン(Rod Barman)氏は、次のように述べている。
「LUCIDはザイリンクスと緊密に連携することで、次世代の産業用マシンビジョンカメラであるTriton Edge(*1)にザイリンクスの最新デバイスUltraScale+ ZU3を統合しました。UltraScale+ ZU3とそのInFOパッケージによって実現した革新的なリジッドフレックスボードアーキテクチャを活用して、超小型のFactory Tough(工業品質)カメラ、IP67に非常に高い処理能力を備えることができたのです」
*1) https://thinklucid.com/triton-edge/
   
拡張性と安全性に優れたArtixおよびZynq UltraScale+
Artixデバイスの追加とZynq UltraScale+ ファミリの拡張により、ザイリンクスのポートフォリオは、ハイエンドのVirtex® UltraScale+からミッドレンジのKintex®UltraScale+、そして新しいコスト重視のローエンド デバイスまで新たに幅広く展開される。これらの新しいデバイスはポートフォリオを拡充し、同じザイリンクスプラットフォームを使用して複数のソリューションを開発できるというスケーラビリティを提供する。これにより、ポートフォリオ内でのデザインの再利用が可能になり、製品の開発期間を短縮できる。
   
セキュリティはザイリンクスデザインに欠かせない要素であり、コスト重視のArtixおよびZynq UltraScale+ファミリ両方にUltraScale+ ポートフォリオと同レベルの堅牢なセキュリティ機能が含まれる。RSA-4096認証、AES-CGM復号化、DPA対策に加えて、ザイリンクス独自のセキュリティモニターIPにより、製品のライフサイクル全体を通してセキュリティ脅威に対する対策を講じることができ、防衛向けと商用向け両方のプロジェクトにおいてセキュリティ要件を満たす。
   
VDC Research社のIoT/エンベデッドテクノロジ、シニアアナリストであるダン・マンデル(Dan Mandell)氏は、次のように述べている。
「幅広いアプリケーションおよび市場に対応できる、安全性に優れた単一プラットフォームによって、デザインの統合が迅速かつ容易になり、市場機会を確実に捉えることができます。拡張性と安全性に優れたUltraScale+ Artix およびZynqファミリでポートフォリオを拡張することで、これらの市場のニーズを満たすというザイリンクスの戦略には強い説得力があり、特にこれらのソリューションが展開されている成長市場での大きなビジネスチャンスを考えると非常に魅力的です」