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東芝の超小型Bluetooth LEモジュールがウェアラブルデバイスなど小型・軽量が求められる市場への利用範囲を拡大

2021.5.10  7:36 pm

NordicのnRF52811 SoCを採用し、革新的なアンテナ技術を搭載したBluetoothモジュールがウェアラブルやヘルスケア用途でのワイヤレス接続を実現

ノルウェー、オスロ発(2021年5月10日)
超低消費電力無線ソリューションのリーディング・プロバイダーであるNordic Semiconductorは本日、東京に拠点を置く株式会社東芝(東京都港区)が、同社の「SASP技術搭載Bluetoothモジュール」にコア処理能力供給およびワイヤレス接続用に、NordicのnRF52811 Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE)System-on-Chip(SoC)のウェハレベルCSP(WLCSP)バージョン(2.48×2.46mm)を採用したと発表しました。アンテナを内蔵したこのモジュールは、サイズ4 × 10 × 1mm、重さ0.09gという超小型フォームファクタになっており、東芝によれば、32MHz水晶振動子、32KHz水晶振動子を内蔵するアンテナ付Bluetooth LEモジュールとしては世界最小となります。
   
東芝独自のSASP(Slot Antenna on Shielded Package)技術は、アンテナ一体型のシールドパッケージを使用することでモジュールのサイズを最小限に抑えることを目的として設計されています。その結果、必要となるアンテナのスペースがPCB上で占める領域と、それに伴う部品配置禁止ゾーン(「キープアウトゾーン」)が他社のモジュールと比較し小さくなります。また、他社モジュールと異なり、キープアウトゾーンがモジュール外形を越えることがありません。これにより、開発者がコネクタやセンサーなどの周辺部品をよりフレキシブルに配置できるようになる為、たとえば、最終製品のPCBの裏面にモジュールを配置することで製品サイズをさらに小型化することも可能となります。
   
NordicのnRF52811 SoCを採用したSASP技術搭載のBluetoothモジュールには、アンテナのほか、2個の水晶振動子と、RFおよびDC/DCレギュレータ用の受動部品が搭載されます。
   
本モジュールは、スペースとコストの両方が制限されている場合でも、堅牢な処理能力とマルチプロトコル無線接続を実現します。特に、健康状態のモニタリングやエクササイズの分析に使用するスマートウォッチや耳装着型デバイスといったウェアラブルデバイスや衣料品類、また限られた電力でセンサーのデータを送受信するさまざまなIoT用途に最適です。モジュールの中枢部に搭載されたnRF52811 SoCは、完全自動のパワーマネージメントシステムにより電力消費を最小限に抑えるよう設計されており、nRF51シリーズと比較して電力消費を最大80%削減します。
    
NordicのnRF52811 マルチプロトコルSoCは、パワフルな64MHz 32ビットのArm Cortex M4プロセッサと、4dBmの出力、-97dBmの感度(Bluetooth 5モードで1Mbps)を備えた2.4GHz無線(Direction Finding(方向検知)、Bluetooth 5.2、Thread、Zigbee、IEEE 802.15.4および独自の2.4GHz RFプロトコルソフトウェアに対応)と、192KBフラッシュメモリと24KB RAMを搭載しています。
また、Bluetooth 5 準拠の高スループット、ロングレンジ、共存性の強化に対応し、正確なポジショニングの為のDirection Finding(方向検知)に対応したNordic初の低消費電力ワイヤレス分野の製品です。nRF52811 SoCにはBluetooth 5認証済みのRFソフトウェアプロトコルスタックであるNordicのS112 SoftDeviceが提供され、高度なBluetooth LEアプリケーションの構築が可能です。S112 SoftDeviceはペリフェラル、および、ブロードキャスタのBluetooth LEロールに対応し、最大4ノードの同時接続とBluetooth LEロールのコンカレント動作を可能とします。
   
東芝のSASPプロジェクトリーダーである山田 啓壽氏は次のように述べています。
「当社がSASP技術搭載のBluetoothモジュールにNordicのnRF52811 SoCを採用したのは、低コストでコンパクト且つ、低消費電力でフラッシュメモリの割り当てに余裕があることが理由です。またNordicは、開発をサポートする優れたソフトウェアとデモサンプルコードを提供してくれます」