SOLUTION
u-blox、「Massive IoT」アプリケーション向けメッシュ・ネットワークを実現するBluetooth 5.1モジュール
2021.5.18 6:45 pm
スイスのu-blox AGは、NINA-B4スタンドアロンBluetooth 5.1モジュールの強化にNordic nRF52833 Bluetooth® Low Energy(Bluetooth LE)システムオンチップ(SoC)を指定しました。オープンCPUアーキテクチャーで小型(10×15×2.2mm)のBluetooth LE/Bluetooth 5.1 MCUモジュールは、分散型大規模メッシュ・ネットワーク・ソリューションであるWirepas Massive(旧「Wirepas Mesh」)向けに最適化されており、このソフトウェアがプリインストールされた状態で提供が可能です。世界的ネットワーク・ソフトウェア企業のWirepas社が開発したWirepas Massiveは、さまざまなMassive IoTプリケーションに対応するよう設計されています。
u-blox NINA-B4シリーズには、内部PCBアンテナ搭載のNINA-B406(高性能で通信範囲の広い堅牢なロープロファイル・ソリューションを提供)と、開発者が任意の外部アンテナを使用できるU.FLコネクタ搭載のNINA-B400があります。これにより、Bluetooth LEをユーブロックスのお客様の設計に組み込む際の時間とコストと労力が大幅に削減されます。NINA-B4シリーズには、u-blox u-connectソフトウェアも付属しており、さまざまなユースケースをサポートするとともに、外部のアプリケーション・ホストから必要な接続を構成するための使いやすいインターフェイスを提供します。
NINA-B4モジュールは、Wirepas社独自のメッシュ接続ソフトウェアの最新バージョンであるWirepas Massiveの実行に適しています(このモジュールでは、Wirepasプロトコルとともにサードパーティのデバイス・アプリケーションを実行することも可能)。Wirepasは、このソフトウェアが、センシング、モニタリング、制御、測位、大規模インベントリを単一のテクノロジーに統合する唯一のソリューションであると主張しています。Wirepas社によると、同社の技術で構築されたネットワークは、ローカルな意思決定によって最適化され、利用可能な無線スペクトルを可能な限り効率的に使用しながら、無制限のスケーラビリティ、カバレッジ、および密度を達成します。同社によれば、ネットワークは周波数干渉の影響を受けないため、過酷な産業環境での使用に最適です。
Wirepas Massiveは、スマート・トラッキング、スマート・ロジスティクス、スマート・ビルディング、スマート・インダストリー、スマート・メーターのアプリケーションに導入でき、大規模な産業グレードのネットワーク展開が必要な場合にも導入することができます。Wirepas Massiveは、2倍のスループット、消費電力の削減、既存のネットワーク内の新しいノードを自動的に承認してロジスティクスのユースケースにおけるローミングを可能にする動的プロビジョニング・アルゴリズム、オープン・ソースのゲートウェイ・ソフトウェア、バックエンド・リンクを必要としないシンプルなプロトコルのノード-ノード・システム、高密度の超高速インベントリ(倉庫内などで、数千台のデバイスを1分以内で処理)、信頼性の高い超低電力ライト・スイッチ用ダイレクト・アドバタイジング・モード、超大規模ネットワークをサポートする32ビットに拡張されたアドバタイジング・スペースを提供します。
NINA-B4モジュールはBluetooth 5.1(方向検知を含む)もサポートし、最高105°Cの拡張温度範囲で動作可能なため、長距離通信機能と併せて、過酷な環境での展開に最適です。到達角(AoA)と発信角(AoD)による方向検知を用いてトランスミッターとレシーバーの両方として機能するように設計されたNINA-B4モジュールは、屋内のアプリケーションに高精度測位のメリットをもたらします。搭載されている nRF52833 SoCのマルチプロトコル無線は、AoAおよびAoDアプリケーションのすべての方向検知機能に対応しています。SoCの豊富なメモリ割り当てにより、高度な組み込み顧客アプリケーションの統合が可能になります。
Nordic nRF52833マルチプロトコルSoCは、大規模かつ低電力のWirepas Massiveメッシュ接続ソフトウェアをサポートし、密度、柔軟性、信頼性を備えた、コスト効果が高くスケーラブルなIoTソリューションを実現します。たとえば、アンカー・ノードのネットワークと最大数十万台のエンドデバイスを拠点の全域に配置し、Nordic SoCに搭載されたWirepas Massive接続を使用してワイヤレスでリンクすることができます。収集されたセンサー・データと分析は、Wirepas Massiveを介してu-blox NINA-B4モジュールを装備したゲートウェイに中継され、ゲートウェイはデータをクラウドに送信します。
高度なマルチプロトコルのNordic nRF52833 SoCは、64MHzの32-bit Arm® Cortex® M4プロセッサと浮動小数点演算ユニット(FPU)、2.4GHzマルチプロトコル無線(Bluetooth 5.1、Bluetoothメッシュ、方向検知、2Mbpsのスループット、長距離通信、さらにはThread、Zigbee、IEEE 802.15.4ソフトウェアに加え、2.4GHz RFプロトコル・ソフトウェアをサポート)を組み合わせたものであり、+8dBmの最大TX電力と-95dBmのRX感度を特長としています。このSoCには、大量のフラッシュ(512kB)とRAM(128kB)メモリ、NFC-A、ADC、高速32MHz SPI、UART/SPI/TWI、PWM、I2S、PDMなどのさまざまなアナログおよびデジタル・インターフェイスが組み込まれています。また、消費電力を最小限に抑えるように設計されています。nRF Connect SDKを介したThread、Zigbee、およびBluetoothのサポートに加えて、Nordic社のBluetooth RFプロトコル・スタックであるS113、122、またはS140 SoftDevicesでもサポートされています。
ユーブロックスのプロダクト・センター(近距離無線)シニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーのStefan Berggrenは次のように述べています。
「高品質のハードウェア、コンパクトなサイズ、MCUの性能、方向検知を含むBluetooth 5.1のサポート、低消費電力、マルチプロトコル機能などの要素を併せ持っていることから、Nordic nRF52833 SoCをNINA-B4シリーズに採用しました。さらに、Nordic社との長年にわたる緊密なビジネス関係と、同社が優れた開発サポートを提供していることから、Nordic社のソリューションを選択しました。」