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CEVAが米Intrinsixを買収、フル・ターンキー型IPプラットフォームもラインアップに
2021.5.27 5:15 pm
CEVA,Inc.は本日、チップ設計を専門に手がける有力企業、Intrinsix社(米国マサチューセッツ州)を約3300万ドルの|現金で買収することで合意したと発表しました。なお、最終的に引き継ぐ運転資本および慣例上の購入額調整が反映されることになります。
買収は2021年第2四半期中に完了する見込みです。
Intrinsixの広範なチップ設計能力とIPコアに、CEVAの最先端の無線通信やスマート・センシングのIPコアを組み合わせることにより、フルターンキーIPプラットフォームという独自の強みが生まれ、5Gインフラ、自動車、航空宇宙・防衛、医療、ロボット、産業用IoT(IIoT)など垂直市場で先進的なチップの開発を検討しているOEMベンダーやIT企業、一次サプライヤーにとっては新市場に参入しやすくなります。
Intrinsixは、35年近くに渡り、RF、ミックスト・シグナル、デジタル、ソフトウェア、セキュア・プロセッサー、ヘテロジニアスSoC(HSoC、別名チップレット)用インターフェイスIPなどの分野で培った複雑なSoC(システム・オン・チップ)設計ノウハウを生かしたビジネスを展開しています。インテルやIBM、レイドス、ロッキード・マーティンなど超優良企業を始めとする顧客基盤に支えられ、これまでに1,500以上の優れた設計を送り出してきたIntrinsixは、航空宇宙・防衛分野で確固たる足場を築いています。
同分野の半導体支出総額は2022年に60億ドルに達すると推定されています。
また、Intrinsixは、米国国防高等研究計画局(DARPA)向けのチップレットやセキュア・プロセッサーの開発にも関わっています。
CEVAのCEO、Gideon Wertheizerは、次のように述べています。
「このたびのIntrinsix買収は当社にとって、新たな成長ベクトルと市場での勢力範囲拡大につながります」当社の標準仕様のIPコアと、RF、ミクスト・シグナル、セキュリティなどの分野でのIntrinsixの定評ある設計能力を生かし、重要なお客様向けに、ターンキー型IPコア・ソリューションを総合的に取り揃えて提供できるようになります。さらに、Intrinsixは、米国国防総省やDARPAとの間で拡大しているチップ開発プログラムでも実績を重ねながら顧客基盤を築いており、プロセッサー・セキュリティやチップレットのIP製品も揃っていることから、今後、CEVAが対応できる市場の拡大や収益基盤の強化につながります。Intrinsixと合流できることは大変喜ばしく、これから生まれるさまざまなチャンスを心待ちにしています」
IntrinsixのCEO、Jim Gobesは、次のように述べています。
「現在、多くのシステム・メーカーが持続性のある競争力を築いて差別化を図るため、チップ開発やIPコアの活用を検討しているなど、半導体業界にとって非常に期待の持てる状況にあります。当社の開発ソリューションと、IP分野の最先端を走るCEVAのワイヤレス通信やスマート・センシング技術を融合できることにわくわくしています。両者が手を組むことにより、充実のIP資産と高度なチップ設計力を持つ強力な存在となり、カスタム半導体開発に取り組むシステム・メーカーの戦略的ニーズに対応し、その取り組みを促進できます。」