SOLUTION
キーサイトが規格準拠と市場導入の加速を可能にするマルチギガビット車載イーサネットテストソリューションを提供
2021.6.1 12:32 pm
マルチギガビット車載イーサネット規格に対応するために、車載ネットワークの設計と検証用の車載イーサネットソフトウェアポートフォリオを拡充
キーサイト・テクノロジーズ・インク(米国カリフォルニア州サンタローザ)は、自動車業界のエンジニア、設計者およびメーカーが、運転時の安定性を向上させ、新たな先進運転支援システム (ADAS) を実現する高品質で高性能な製品開発を支援するために、車載イーサネットソフトウェアのポートフォリオを拡充したことを発表しました。
車載イーサネット(Ethernet)規格に対応
次世代ADASシステムには、高解像度を実現するカメラトレーダーシステムが必要です。そのためには、データレートの向上と、広帯域ネットワークが必要になります。車載イーサネットにより、より高速なデータ通信を可能にし、現在の自動車や将来のコネクテッドカーのニーズに対応できます。
キーサイト は、1ギガおよびマルチギガビットのデータレートに対応した新しい3つのソフトウェアを発売します。これにより、総合部品メーカー(Tier1) 、自動車メーカー(OEM)、チップセットベンダーおよびその他自動車サプライヤーは、車載イーサネットデバイスの迅速な検証とデバッグを行うことができ、市場投入までの時間を短縮し、IEEE および OPEN Alliance のコンプライアンスを達成することができます。一方、高速化に伴い、データ損失や干渉、情報パケットの取りこぼしや誤送信のリスクが高まります。
こうした増え続ける課題に対処するために、キーサイトはIEEE 802.3ch 2.5/5/10Gbps 対応の車載イーサネット伝送およびチャンネルテストソフトウェアソリューションを開発し、複雑なマルチギガビット車載イーサネット設計のテスト、デバッグおよび容易な特性評価を可能にします。
車載イーサネット Tx コンプライアンスソリューションは 10M ~ 10Gbps までを1つのソフトウェアアプリケーションでサポート
キーサイトの車載イーサネットソリューション は、コンプライアンステストに必要なハードウェア、ソフトウェア、ケーブル、およびアクセサリを提供します。このソリューションは、機能的で多目的に使用できる Infiniium UXR シリーズ リアルタイムオシロスコープ や MXR-Sシリーズ リアルタイムオシロスコープ 、および E5080B ENAベクトル・ネットワーク・アナライザ、PXI ベクトル・ネットワーク・アナライザ、または Streamlineシリーズ USB ベクトル・ネットワーク・アナライザ により構築され、高い信頼性と再現性のある測定結果を得られます。これらの機器は、ラボにおいて、車載イーサネット以外の設計、検証や評価にも欠かせない機器でもあります。
キーサイトの新しい車載イーサネットソフトウェアには、以下の主な機能とお客様のメリットを提供します。
- さまざまな規格に準拠したデバイスで、高い信頼性を実現(送信機向けの6つの規格、受信機向けの2つの規格、およびリンクセグメント向けの6つの規格に対応)。
- 関連するすべてのハードウェア、ソフトウェア、アクセサリを1つのモデルに統合することで、1種類のコンプライアンスアプリケーションを購入・使用でき、時間と費用を節約。
- テストプランを作成して、各測定にあわせて機器を自動セットアップし、制限ラインを適用。
- マージン分析を含む、包括的 HTML または PDF 形式の自動レポートを作成。
- セットアップを自動化することで、再現性のある結果を保証し、所定の手順を熟知する必要もなく、テストを実行。
- 測定器および個別の車載イーサネットフィクスチャおよびアダプターボードを使用して、正確かつ再現性のある結果を保証。
- 車載イーサネットプロトコルの問題をタイミングやシグナルインテグリティの根本原因に遡り迅速なトラブルシューティングができ、1000BASE-T1 PHY のプロトコルデコーディングが可能 。
キーサイトのAutomotive and Energy Solutions事業担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるThomas Goetzlは、次のように述べています。
「キーサイトでは、オートモーティブ市場における高速デジタルインターフェイスに対する市場ニーズの高まりに対応することが、極めて重要だと認識しています。今回発表した新ソリューションは、キーサイトが自動車業界のお客様向けにテクノロジーの進化と標準化を、新たな方法でサポートしていることを証明するものです。」
その一例として、このソリューションはリリース前に、業界初の車載用 IEEE802.3ch マルチギガビット PHY デバイスである Broadcom社の BCM8989xでの検証を成功しています。さらに、メガチップス社は、伝送コンプライアンスソフトウェアを使用し、設計を評価しています。
株式会社メガチップスの高速有線事業部アナログ開発部 部長である近藤 泰二氏は、次のように述べています。
「IEEE 802.3ch は、私たちとお客様にとって重要なデータレートであり、仕様の設計解釈を評価する方法が必要でした。キーサイトの車載イーサネット送信機ソフトウェアにより、お客様に自信をもって新しいチップセットを提供することができます。」