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キーサイトがPD1500Aダイナミック・パワー・デバイス・アナライザ/ダブル・パルス・テスター用のカスタムGaNテストボードを発表
2021.6.2 11:10 am
ワイドバンドギャップ半導体の測定の再現性を高め、信頼性の特性評価方法を提供し、試作サイクルの削減と新製品の市場投入を加速へ
キーサイト・テクノロジーズ・インク(米国カリフォルニア州サンタローザ)は、PD1500Aダイナミック・パワー・デバイス・アナライザ/ダブル・パルス・テスター用にカスタマイズされた新たな窒素ガリウム(GaN)テストボードを発表しました。これにより、自動車メーカー(OEM)や総合部品メーカー(Tier1)の電力変換器(パワーコンバータ)設計者はプロトタイプ(試作)サイクルを削減し、より迅速に市場投入を行うことができます。
パワーコンバータは、交通、再生可能エネルギー、および工業市場の電化を可能にする重要なコンポーネントです。e-Mobilityでは、パワーコンバータ(例えばトラクションインバータ)の主な用途は、電気自動車(EV)の高電圧バッテリーパックに蓄えられた電力を効率的に変換してACモーターを駆動することです。その他にも、車両と送電網をつなぐ重要な役割を果たす車載充電器など、電気自動車におけるパワーコンバータの用途は数多くあります(図参照)。
パワーコンバータ設計を進化させるために、新しいワイドバンドギャップ(WBG)半導体技術が商用化され、動作速度、電圧、熱動作が改善されています。これにより、効率は改善され、サイズも小型化し、コストも削減されます。しかし、結果として高性能パワーコンバータの設計が難しくなり、EVの技術革新が遅れる原因ともなっています。
キーサイトはWBG半導体の信頼性の高い特性評価を実現するために、PD1500Aダイナミック・パワー・デバイス・アナライザ・プラットフォームを開発しました。PD1500Aはモジュール式で、標準構成では、シリコン(Si)とシリコンカーバイド(SiC)ベースのパワーデバイスの特性を評価することができます。カスタムのGaNテストボードを備え、より高速なバイスの測定の再現性を高め、信頼性の高い特性評価を提供します。
GaNは現在、EVの車載充電器やDC:DCコンバータ等に利用されていますが、縦型GaNの実用化により、より高い動作電圧が実現され、より高い電圧を必要とするe-Mobilityアプリケーションへの適用が期待されています。
キーサイトの計測の専門知識により、GaNパワーデバイスの高い再現性と信頼性を持つ特性評価ソリューションの市販化を実現し、OEMとTier1メーカーによる競争力のあるEVをいち早く製品化できるようになります。