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NXPがTSMCの16nm FinFET技術を採用した2つの製品により車載プロセッシングのイノベーションを加速

2021.6.2  6:30 pm

NXPがTSMCの16nm FinFET技術を採用した2つの製品により車載プロセッシングのイノベーションを加速

車載プロセッシングで世界をリードするNXP SemiconductorsとTSMCは、TSMCの先進16nm FinFETプロセス技術によりNXPのS32G2車載ネットワーク・プロセッサとS32R294レーダー・プロセッサの量産を開始したと発表しました。
今回の発表は、自動車が強力なコンピューティング・プラットフォームへと進化を続ける中で、NXPのS32プロセッサ・ファミリがより高度なプロセス・ノードへと移行していくことを意味しています。S32ファミリにおけるNXPの継続的な技術革新は、自動車メーカーによる車載アーキテクチャの簡素化とコネクテッド、およびコンフィギュラブルな近未来のクルマの提供を可能にします。
   
S32G2車載ネットワーキング・プロセッサは運転状況によって料率が変わる保険、クルマの状態管理などの多くのデータ主導型サービスの可能性を拓くセキュアなクラウド・コネクティビティやOver-the-Air(OTA)アップデートのためのサービス指向ゲートウェイを可能にします。S32G2プロセッサは次世代車載アーキテクチャを可能にするドメイン/ゾーン・コントローラや、先進運転支援/自動運転システムの高性能ASIL Dセーフティ・プロセッサとしても機能します。TSMCの16nm技術への移行により、S32G2は複数のデバイスを1個のデバイスに統合でき、プロセッサのフットプリントを低減する強力なシステム・オン・チップ(SoC)になります。
   
16nmプロセスを採用したS32R294 レーダー・プロセッサは、NCAP向けのスケーラブルなソリューション、先進コーナー・レーダー、長距離フロント・レーダーのほか、同時死角検知、車線変更支援、エレベーション・センシングなどの先進マルチモード・ユースケースの実現のために自動車メーカーが必要とする高い性能を提供します。
   
TSMCの16nm技術によって、NXPの車載プロセッサは初めて先進FinFETトランジスタの性能を活用し、性能向上と厳格な車載プロセスへの認証により安全な次世代コンピューティング性能を提供できるようになります。車載プロセス・ロードマップに対するTSMCの広範なサポートにより、NXPの16nm車載プロセッサはS32車載プロセッサ・ファミリのTSMCの5nmプロセスへのさらなる移行の道を拡げます。
   
NXP Semiconductorsの社長兼最高経営責任者(CEO)のKurt Sieversは台北で開催されているComputexのCEOフォーラムで、次のように述べています。
「NXPのレーダー/車載ネットワーキング向け16nmプロセッサの発表は、クルマが安全、セキュアで楽しみを提供するインテリジェントな車輪付きコネクテッド・ロボットに変貌する中で新たなマイルストーンとなります。いずれのプロセッサも量産の準備が整っています。私たちはTSMCと長年にわたるパートナーシップの歴史を持っており、現在の半導体不足の中でのサポートに感謝しています。NXPの16nm FinFETポートフォリオの拡大で重要なステップを可能にし、TSMCの5nmプロセスに調和したソフトウェア・インフラによって将来の高性能S32プロセッシング・プラットフォームへの道を拓く技術と量産能力における二社の協力を私たちは高く評価しています」。
   
TSMCの最高経営責任者(CEO)のC.C. Wei博士は、次のようにコメントしています。
「クルマはさまざまなセンサ、デジタル・コックピット、ワイヤレス・コネクティビティなどを制御する半導体により、高度なコンピューティング・プラットフォームへと進化してきました。TSMCの車載プロセス技術とサービスの包括的ポートフォリオにより、私たちのお客様にとってクルマをより安全、スマート、グリーンにするイノベーションが実現します。TSMCは16nmノードでの設計、品質、機能安全に関し、NXPの長年にわたる車載分野での強みをサポートしており、私たちの先進ロジック技術と車載グレードの製造品質により新たな時代を築いていきます」。