SOLUTION
MicrochipがシリコンIGBTを置き換える堅牢な 1,700 Vシリコン カーバイド パワー ソリューションを発表
2021.7.28 6:54 pm
商用車の駆動系、補助電源系、ソーラー インバータ、半導体変圧器、その他輸送/産業アプリケーションに電力を供給する今日の高効率充電システムは全て高電圧スイッチング パワーデバイスに依存しています。このような要件を満たすため、Microchip Technology Inc.(日本法人: 東京都港区浜松町)は本日、高効率高信頼性1,700 Vシリコン カーバイドMOSFETダイ、ディスクリート、パワーモジュール ファミリによるシリコン カーバイド ポートフォリオの拡充を発表しました。
Microchip社の1,700 Vシリコン カーバイド技術はシリコンIGBTを置き換えるものです。シリコンIGBTでは損失が大きく、さらにスイッチング周波数に制約があったため性能に妥協し、複雑な回路方式を使う必要がありました。さらに、パワー エレクトロニクス システムのサイズと重量は変圧器に大きく影響されますが、小型化するには変圧器のスイッチング周波数を高める以外に方法がありません。
IGBTの代わりに新しいシリコン カーバイド製品を採用する事で、少ない部品点数で高効率かつシンプルな制御方式による2レベル回路方式を使えます。スイッチングの制約が軽減され電源ユニットのサイズと重量を大幅に低減できます。これにより充電ステーションを小型化し、乗員と貨物のための空間を拡大できます。もしくは大型車両、電気バス、その他バッテリ駆動商用車の走行距離と動作時間を延長する事ができます。これらは全て総システムコストの低減と同時に実現可能です。
「輸送システム開発者は常に、車両の大きさを変えずにより多くの人と物を運ぶ事を求められています」とMicrochip社ディスクリート製品部門副社長のLeon Grossは述べています。「これを実現する最良の方法は、高電圧シリコン カーバイド パワーデバイスを使った電源でサイズと重量を低減し効率を向上させる事です。」輸送分野におけるこれらの利点は、他の産業アプリケーションの多くにも同様の恩恵をもたらします。
特長の1つには、ゲート酸化膜の安定性が挙げられます。Microchip社では、R-UIS(クランプなしの反復誘導性スイッチング) テストの100,000回の長期パルス試験後でも、しきい値電圧が変化しない事を確認しました。またR-UISテストでは優れたアバランシェ耐性、パラメータ安定性、ゲート酸化膜安定性を示し、システム寿命全体にわたって高信頼性動作を実証しました。ボディダイオードの劣化特性がないため、シリコン カーバイドMOSFETに外付けのダイオードを使う必要がありません。IGBTと同等の短絡耐性を備えているため、電気的な過渡現象による悪影響を受けません。Microchip社のシリコン カーバイド製品を使った電源系は、0~175 °Cの接合部温度に対し平坦なRDS(on)曲線を示し、温度依存性の高い他社製シリコン カーバイドMOSFETを使った電源よりも安定動作します。
Microchip社は、AgileSwitch® デジタル プログラマブル ゲートドライバ ファミリと、各種ディスクリートおよびパワーモジュール パッケージを提供しています。これらのゲートドライバは、シリコン カーバイド製品を使った迅速な開発に役立ちます。
その他のMicrochip社シリコン カーバイド製品には700 Vと1,200 VのMOSFETおよびショットキー バリアダイオード ファミリ等があり、ベアダイと各種ディスクリートおよびパワーモジュール パッケージで提供しています。Microchip社は高効率、コンパクト、高信頼性の最終製品を開発できるように、シリコン カーバイドダイ製造と低インダクタンス パワーパッケージングおよびデジタル プログラマブル ゲートドライバを統合しています。
Microchip社のトータルシステム ソリューションにはアナログ、通信、セキュリティ等の周辺モジュールを豊富に備えたMCU(マイクロコントローラ)も含まれます。
・開発ツール
Microchip社のMPLAB® MindiTMアナログ シミュレータと互換のシリコン カーバイドSPICEシミュレーション モデルを使うと、ハードウェア設計を行う前にスイッチング特性をシミュレートできます。ICT(インテリジェント コンフィグレーション ツール)を使うと、Microchip社のAgileSwitch® デジタル プログラマブル ゲートドライバ ファミリのシリコン カーバイド ゲートドライバを効率的にモデル化できます。
・在庫/供給状況
Microchip社の1,700 Vシリコン カーバイドMOSFETのダイ、各種パッケージのディスクリートおよびパワーモジュールは本日より受注を開始いたします。
Microchip社ウェブサイト http://www.microchip.com