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IARシステムズがNSITEXE社との協業によりRISC-V向け機能安全の開発を加速

2021.8.2  6:18 pm

NSITEXEとのパートナーシップ締結により、RISC-VベースIPコア向け機能安全認証済みソリューションを提供

組込みシステム開発用のソフトウェアツールとサービスのサプライヤとして躍進を続けるIARシステムズ株式会社(本社:スウェーデン・ウプサラ市、日本法人:東京都千代田区)は、株式会社デンソーのグループ企業であり、高性能な半導体IPの開発および販売を手掛ける株式会社エヌエスアイテクス(NSITEXE)とのパートナーシップ締結を発表しました。今回の提携では、革新的なRISC-Vベースのアプリケーション向けに確かな機能安全と広範なサポートを備えた高性能開発ツールソリューションの提供を主眼としています。
    
組込みシステムに対する機能安全の必要性は、年々高まっています。それを最も顕著に示すのが、車載、産業オートメーション、医療機器の3つの分野であり、IARシステムズは2013年に最初の機能安全認証版製品を発表しました。その後、RISC-V技術が浸透し、その技術が種々な組込みシステム設計へ急速に展開されるに伴い、RISC-Vに対する機能安全もますます重要となってきました。IARシステムズは、2020年にRISC-V用の機能安全ソリューションを発表し、今回はNSITEXEと共に、RISC-Vの採用企業に対し、その可能性をさらに切り開いていきます。
    
NSITEXEは、先進的な自動車技術の主要分野で大きな発展をする、世界最大クラスのTier1自動車部品メーカーの1社であるデンソーの100%子会社として2017年に設立されました。最近では、32-bit RISC-V ISA (RV32IMAF) を採用した、シングルイシュー・インオーダー4段パイプラインの汎用CPUのNS31Aを発表しています。NS31Aは、車載アプリケーションで要求されるISO 26262 ASIL D機能安全機構に対応しており、AUTOSARプラットフォームで必要とされる特権モードもサポートしています。
   
NSITEXE社のCTOである杉本英樹氏は、次のように述べています。
「NSITEXEは、将来の大きな動向を踏まえ、汎用性・効率・機能安全を3本の柱に開発を進めてきました。NS31Aは、組込みシステムの制御を簡単、リーズナブルにかつ安心・安全に行いたいユーザに向けた高い機能安全に対応したRISC-Vベースの32ビット汎用CPUになります。IAR Embedded Workbench for RISC-Vは、RISC-Vの開発環境の市場においてデファクトスタンダードとなるツールです。IAR Embedded Workbench for RISC-VとNS31Aは機能安全対応のアプリケーションを開発するお客様のベストソリューションとなるでしょう」
     
IARシステムズのCEOであるStefan Skarinは、次のように述べています。
「NSITEXEとの協業により、NSITEXEとIARの強力なテクノロジとサービスが組み合わさり、RISC-Vユーザに展開されることで、機能安全の開発における可能性がさらに広がります。IARシステムズの機能安全製品は、種々な規格を業界で最も広範にカバーしています。私たちはNSITEXEと共に、安全性が成功に不可欠とされるアプリケーションにおいて、RISC-Vを使用した開発工程のスピードアップを可能にします」
     
機能安全の要件を持つ企業に対して、IARシステムズは完全統合型の開発ツールチェーンであるIAR Embedded Workbenchの機能安全版を提供しています。この認証済みツールは、特別な保守契約 (Functional Safety Support and Update Agreement) を利用いただくことで、契約期間中は認証取得バージョンのサポートが保証されるとともに、優先的技術サポートを提供します。IAR Embedded Workbench® for RISC-V機能安全版は、TÜV SÜDより機能安全に関わる国際的な規格であるIEC 61508と車載用機能安全規格であるISO 26262の要件に基づく認証を取得しています。また、この認証は、IEC 62304、EN 50128、EN 50657、IEC 60730、ISO 13849、IEC 62061、IEC 61511、ISO 25119にも対応しています。
詳細 www.iar.com/jp/riscv_fs