SOLUTION
Nexperiaがホットスワップに最適な新特定用途向けMOSFETにより、SOAを166%拡大しPCBフットプリントを80%削減
2021.8.4 6:02 pm
新80V/100Vデバイス、ディレーティングの最小化と電流シェアリングの向上により、最適な性能、高信頼性、システム・コスト低減を実現
Nexperia(本社:オランダ、ナイメーヘン)は、電子ヒューズやバッテリの保護を必要とする5G通信システム、48Vサーバー環境、産業機器のホットスワップ/ソフトスタート・アプリケーションに最適な、安全動作領域(SOA)性能を強化した新しい80V/100V特定用途向けMOSFET(ASFET)を発表しました。
ASFETは特定の設計用途に最適化した新たな種類のMOSFETです。アプリケーションに重要な特定のパラメータにフォーカスすることにより、時には同じ設計の中で重要性の低い他のパラメータを犠牲にし、新次元の性能を実現できる場合もあります。新製品のホットスワップASFETはNexperiaの最新シリコン技術と銅クリップ・パッケージ構造の組み合わせにより、安全動作領域を大幅に拡大するとともにPCB面積を最小化します。
従来、MOSFETには、高電圧時に熱不安定性によってSOA性能が急速に低下する「二次降伏」が発生していました。堅牢性が高く性能を強化したNexperiaのSOA技術は性能の「急低下」を解消し、D2PAKパッケージの前世代製品と比較して50V時にSOAを166%拡大します。
もう1つの重要な進化は、データシートに125℃のSOA特性が含まれていることです。Nexperiaのシニア・インターナショナル・プロダクト・マーケティング・マネージャのMike Beckerは、次のようにコメントしています。
「SOAは従来から25℃でのみ規定されており、設計者は高温環境での動作にはディレーティング作業が必要でした。Nexperiaの新ホットスワップASFETには125℃のSOA仕様が含まれていることから、時間のかかるディレーティング作業が不要になり、高温時でもNexperia製品が優れた性能を発揮することが確認できます」。
新PSMN4R2-80YSE(80V、4.2mΩ)/PSMN4R8-100YSE(100V、4.8mΩ)ホットスワップASFETは、Power-SO8互換LFPAK56Eパッケージに封止されています。このパッケージのユニークな内部銅クリップ構造により、放熱/電気特性の向上と同時にフットプリント・サイズの大幅な低減が可能になります。新LFPAK56E製品はわずか5 x 6 x 1.1mmで、前世代のD2PAK製品と比較しPCBフットプリントを80%、デバイスの高さを75%低減しています。新製品の最大接合部温度は175℃で、通信/産業アプリケーション向けのIPC9592規格に適合します。
Nexperiaのシニア・インターナショナル・プロダクト・マーケティング・マネージャのMike Beckerはさらに、次のように述べています。
「もう1つのメリットは、複数のホットスワップMOSFETの並列使用が要求される大電力アプリケーションで電流シェアリングが向上し、信頼性向上とシステム・コスト低減が可能になることです。NexperiaはホットスワップMOSFET市場のリーダー企業として広く認識されています。最新ASFETの投入によって、私たちは技術水準をさらに向上しました」。
新ホットスワップASFETは、量産対応体制が整った英国マンチェスターのNexperiaの新8インチ・ウェハ製造工場で製造される予定です。製品仕様やデータシートなどの詳細については、https://www.nexperia.com/products/mosfets/application-specific-mosfets/asfets-for-hotswap-and-soft-start をご覧ください。
9月21日から23日まで開催するNexperiaのオンライン・イベント「Nexperia Power Live」でも、この技術を紹介します。詳細については、https://www.nexperia.com/power-live をご覧ください。