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インフィニオン、スマートグラスおよびヘッドアップ ディスプレイ用の新しいMEMSスキャナーで拡張現実 (AR) に変革をもたらす

2021.8.16  4:30 pm

インフィニオン、スマートグラスおよびヘッドアップ ディスプレイ用の新しいMEMSスキャナーで拡張現実 (AR) に変革をもたらす

(2021年8月9日、ミュンヘン (ドイツ))
普段使っている眼鏡が拡張現実 (AR) アプリケーションの次のメディアになったら、普段運転している自動車のフロントガラスに交通情報が表示され安全な交通案内をしてくれたらどうでしょう。インフィニオン テクノロジーズの新しいMEMS*スキャナー ソリューションは、MEMSミラーおよびMEMSドライバーで構成され、全く新しい製品設計を可能にします。小型で低消費電力の新しいソリューションは、ウェアラブルなどの民生アプリケーションや自動車のヘッドアップ ディスプレイ向けに、ARソリューションをより広く提供するための基盤となります。

    
インフィニオンの車載用MEMS製品ラインの責任者であるチャールズ チャン (Charles Chan) は、「ARソリューションは、貴重なデジタル データで現実の環境を豊かにし、ビジネスやレジャーなどの日常生活、特に路上において、ユーザビリティの高い安全な移動を可能にします。地図やインフォテイメント、メッセージなどをメガネに投影することで、近くのスーパーやパーキングへの案内が可能になります。ルート案内から運転支援まで、必要な情報をドライバーの目の前の小さなスペースではなく、車のフロントガラス全体に重ねることで、運転の安全性や利便性を向上させる大きな一歩となります」と述べています。
     
インフィニオンのMEMSスキャナー チップセットは、新世代のレーザービーム スキャナー (LBS) プロジェクターの基礎となる革新的なティルティング ミラーを搭載しています。インフィニオンの新しいチップセットは、他のシステム デザインや競合他社のMEMSスキャナー ソリューションと比較して、性能、サイズ、消費電力、そしてシステム コストの面で優れています。
     
すべての自動車セグメントでより良いカスタマー エクスペリエンスを
ARヘッドアップ ディスプレイ (AR-HUD) を開発する際の大きな課題は、スペース的に制約のあるダッシュボードにシステムを組み込むことです。従来のHUDシステムは、光学体積が30リットルを超えるものもありますが、それでもごくわずかな視野しか確保できません。これに対しインフィニオンのMEMSスキャナー チップセットを搭載したレーザービーム スキャナーは、最小の光学体積でHUDシステムを実現するため、どんなに小さなダッシュボードにも組み込むことができます。競争力のあるマテリアルによる容易な集積によって、広い視野角のAR-HUDを小型車やコンパクト クラスの自動車にも搭載できるようになります。
      
ARスマートグラスでデジタル情報を常時表示
インフィニオンのMEMSスキャナー チップセットは、一日中身につけるメガネやスポーツグラスに、軽量なARマイクロ プロジェクターをデザイン性も優れた形で設計できます。また、低消費電力であることから、小型電池をフレームに組み込めるため、電池を頻繁に充電することなく一日中便利に着用することができるようになります。
      
インフィニオンは、民生市場向けのARスマートグラスのシステム開発を進めるために、オーストリアのウィーンに拠点を置くスタートアップ企業であるTriLite Technologies GmbH社と協業しています。インフィニオンがMEMSスキャナーのチップセットを担当し、TriLite社はシステム インテグレーションとシステムの光学性能を高める制御アルゴリズムを担当します。両社は、光学MEMSに関する数年間の研究成果と量産能力を兼ね備えています。