STマイクロエレクトロニクスのSTM32U5マイコンがPSA Certifiedレベル3とSESIP3のセキュリティ認証を取得

STマイクロエレクトロニクスは、先進的なセキュリティ機能を備えた汎用32bitマイクロコントローラ（マイコン）「STM32U585」が、論理および物理攻撃に対する耐性テストに合格し、PSA Certifiedレベル3およびSESIP3認証を取得したことを発表しました。これにより、同製品のサイバー・セキュリティにおける優れた性能が実証されました。
　　　　
STM32U585は、優れた耐タンパ性とソフトウェア保護機能を備え、PCI SSC（Payment Card Industry Security Standards Council）仕様への準拠が求められるPTS（PINトランザクション・セキュリティ）機器の制御に最適な製品です。先進的なセキュリティ機能を搭載する汎用マイコンとして、POS端末やセルフサービス型決済端末の設計・製造を簡略化するオール・イン・ワンのソリューションを提供します。
　　　　
通常、正式なPTS認証取得済み製品として認められるためには、キーボード、ディスプレイ、USBなどの接続機能を管理するマイコンとは別に、オンラインおよびサイドチャネル攻撃を防止する専用のセキュリティ・チップが必要となります。STM32U585は、これらの機能を統合することができるため、設計の簡略化や、調達、在庫管理、最終組立てといった製造ロジスティクス全体の高効率化に貢献します。また、端末メーカーはPCI PTS v6などの適用可能な規格に対する製品テストや認証を、より迅速かつ簡単に実施できるようになります。
　　　　
STM32U585は、Arm® Trusted Base System Architecture（TBSA）に準拠し、Arm® TrustZone®アーキテクチャを採用しています。暗号化アクセラレータ、セキュア・データ・ストレージ、セキュア・ファームウェア・インストール、セキュア・ブート、セキュア・ファームウェア・アップデートなど、IoT機器に求められるさまざまなセキュリティ機能が搭載されています。
　　　　
また、POSアプリケーションにおいてPCI SSC要件を満たすために、摂動攻撃を受けた場合に秘密データを消去する内部モニタリング機能を搭載すると共に、サイドチャネル攻撃に対するAES暗号化アクセラレータおよび公開鍵アクセラレータ（PKA）、Hardware Unique Keyによるセキュアなデータ・ストレージ、アクティブ・タンパ検出など、多くのセキュリティ機能が追加されています。そのため、一般的な汎用マイコンと比較して優れたサイバー・セキュリティを実現しています。
　　　　　
STM32U585は、コストと消費電力が重視されるIoT機器において優れたサイバー・セキュリティ機能を実現すると共に、高性能のコアと充実したペリフェラル機能を提供します。先進的なArm® Cortex®-M33、A/Dコンバータ（2個）、D/Aコンバータ・チャネル（2個）、オペアンプ（2個）、コンパレータ（2個）、タイマ（汎用タイマ、低消費電力タイマ、PWMモータ制御用タイマなど）などの豊富なペリフェラルが搭載されています。また、先進的な40nmプロセス技術とST独自の機能により、消費電力の大幅な削減と性能向上を実現しています。ペリフェラルを動作させたままマイコンの大部分をスリープ状態にし、消費電力を削減することができる自律動作モードや、動的な消費電力を19μA/MHz未満まで削減できる選択可能な電圧レギュレータなどが搭載されています。
　　　　　
STM32U585は、先進的なセキュリティ機能を搭載する汎用マイコンとして、STのセキュリティ・フレームワークであるSTM32Trustのロードマップにおいて重要な製品です。STM32Trustは、STが有するセキュリティに関する専門性、STM32マイコンおよびマイクロプロセッサ、Common Criteria認証取得済みセキュア・エレメント「STSAFE」、開発ツール、ハードウェア / ソフトウェア、および設計サービスを組み合わせて、設計の保護やセキュアな通信、およびシステムの完全性確保に貢献します。
　　　　　
詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
https://www.st.com/ja/microcontrollers-microprocessors/stm32u5-series.html