SOLUTION
UnitedSiCが業界最高クラスの新6mohm SiC FETデバイス発表
2021.9.15 4:16 pm
新たに9モデルががわり、設計の柔軟性が格段に向上
シリコンカーバイド(SiC)パワー半導体大手メーカーであるUnitedSiC(ユナイテッドSiC、本社: 米ニュージャージー州プリンストン)は、高性能で高効率なSiC FETを求めるパワー設計者の声に応えるため、業界最高クラスの750V、6mohmの新デバイスを発表しました。この新しい6mohmデバイスは、競合するSiC MOSFET製品に比べてRDS(on)値が半分以下であることに加え、短絡保証時間定格は5µsという強固な値を実現しています。
今回、6、9、11、23、33、44mohmの定格を揃えた、750V SiC FETシリーズの9つの新しいデバイス/パッケージオプションを発表しました。どのデバイスもTO-247-4Lパッケージで提供されますが、18、23、33、44、60mohmのデバイスについてはTO-247-3Lでも提供されます。すでに発売されている18および60mohmのデバイスを加えたこの750Vシリーズにより、設計時のデバイスの選択肢が広がります。より柔軟な設計が可能になるため、コストと効率性の最適なトレードオフを確保しながら、設計の幅を広げ、強固な回路を実現できるようになります。
UnitedSiCのGen 4 SiC FETはSiC JFETとシリコンMOSFETの「カスコード」であり、同一パッケージ化されています。これらが合わさって、シンプルで安定した堅牢なゲートドライブと不可欠なESD保護を保持しながら、高速かつ低損失、高温動作など、ワイド・バンド・ギャップ・テクノロジーのメリットが最大限に発揮されます。
そのメリットは、単位ダイ面積当たりの導通損失である、RDS(on) x Aなどの性能指数(FoM)によって数値化されます。Gen 4 SiC FETのRDS(on) x Aは最高/最低どちらのダイ温度についても、市場で最も低い値を実現しています。ハード・スイッチング・アプリケーションで重要なFoM RDS(on) x EOSS/QOSSは、競合製品の半分の値です。またソフト・スイッチング・アプリケーションで重要なFoM RDS(on) x COSS(tr)は、競合製品に比べて約30%低く、さらに競合製品の定格はUnitedSiCの定格である750Vより低い650Vです。
ハード・スイッチング・アプリケーションでは、SiC FETの内蔵ボディダイオードにより、競合するSi MOSFETやSiC MOSFET技術に比べて、優れたリカバリ速度と順電圧降下を実現しています。Gen 4テクノロジーに組み込まれたメリットとしては、その他にも高度なウエハー薄化技術と銀シンター・ダイ・アタッチによる、ダイからケースへの熱抵抗の低下などが挙げられます。こうした機能により、要求の厳しい用途でも、ダイ温度の上昇を抑えながら最大の出力が得られるようになっています。
スイッチング効率とオン抵抗が改善されたUnitedSiCの新SiC FETは、新たな要求の厳しい用途にも最適です。たとえば、電気自動車のトラクションドライブやオンボード/オフボードの充電器、再生可能なエネルギーインバーターにおける、あらゆる段階の単方向/双方向電力変換、力率補正、テレコムコンバーター、AC/DCまたはDC/DC電力変換などです。これらのデバイスは、Si MOSFETおよびIGBTゲートドライブやTO-247パッケージとの下位互換性が確保されているため、既存の回路に導入しても効率が簡単に向上するというメリットが得られます。
UnitedSiCで社長兼CEOを務めるクリス・ドライズ(Chris Dries)は、次のように述べています。
「UnitedSiC Gen 4 SiC FETは、競合する技術と比べて明らかに性能が優れており、ワイド・バンド・ギャップのスイッチ技術における新たなベンチマークになるものです。製品のバリエーションが増えたことで、性能面でも予算面でも選択肢が広がり、より広範な用途に対応できるようになっています」
UnitedSiCについて
UnitedSiC(www.unitedsic.com)は、電気自動車(EV)充電器、DC/DCコンバータ、トラクションドライブ、通信/サーバー電源、可変速モータドライブ、太陽光発電インバータなどに、業界最高クラスの効率と性能を提供する、革新的なシリコンカーバイドFETおよびダイオードパワー半導体を開発しています。